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株式会社ダイビ

エキスパート・ローダーで省人化を実現 変化へ挑戦する社風が導入・運用を支える

アズーラ速乾印刷とのシナジー効果 生産性向上、働き方改革にも寄与

印刷新報 2020年2月20日号 掲載


 

1918年(大正7年)にコロタイプによるアルバム製作業として創業し100年を超える歴史を誇るダイビ(前田哲治社長、大阪市住吉区)は印刷業界を取り巻く環境が急速に変化する中、「CHANGE TO SURVIVE」をスローガンに掲げ技術開発を進め、積極的な設備導入により独自のアルバム作りに邁進している。2019年11月には日本アグフア・ゲバルト(岡本勝弘社長)の現像レスサーマルCTPプレート「AZURA(アズーラ)」ならびにパレットローディングシステム「Expert Loader(エキスパート・ローダー)」を導入し、さらなる生産体制の強化を図り、多くの印刷会社が迫られている働き方改革への対応にもつなげている。自動化、省力化への投資が不可欠となっている今、同社の取り組みについて前田社長ならびに加地真泰生産管理部長に聞いた。 

縮小が予想される卒業アルバム市場

 ダイビでは現在、菊全判4色オフセット枚葉印刷機2台、デジタル印刷機2台に加え、自動糸かがり機や自動表紙貼機、アルバムケースUV背文字印刷機などを保有し、企画から印刷、製本までの一貫生産体制を構築している。売上の9割以上を卒業アルバムが占めており、商圏は北海道から沖縄までと広域で、幼稚園、小・中学校、高校、大学まで幅広く受注している。しかし、市場としては少子化という社会問題が大きく影を落としている。「人口が減少すれば確実に市場は縮小する。過当競争という悪循環に陥らないよう業界で考えなければいけない。厳しい環境で生き残るのであれば、省力や省人化を進め、生産性向上とコスト削減につなげていくことが求められる」と前田社長は危惧している。

 その中、同社では「CHANGE TO SURVIVE」をスローガンに掲げ変革への取り組みに挑戦している。「同じ仕事のやり方を繰り返していては、会社が継続する時代ではない。常に変化に対応しなければならない。社内では今までの仕事を全否定しても構わない。変わろうと呼びかけている」と前田社長は語る。

 今回、導入したアズーラやエキスパート・ローダーは、この変化への対応を具現化したものである。

 

 

前田社長 

     

速乾による加工の迅速化を実現

 

昨年11月に導入したアズーラだが、ダイビでは3年近く検討を重ねてきた。アグフアより提案を受けた加地氏は導入ユーザー数社を印刷機長と共に視察した。「実際に現場を見て水が絞れる、乾燥性が良いという印象は受けたが当時は半信半疑だった」と振り返る。その後、1年ほど経過し提携先の印刷会社を訪問した際「偶然、アグフアのシステムを導入されておられ、以前と同じ特長を聞いた。当社の卒業アルバムは印刷後にプレスコート加工を行っている。繁忙期には印刷した翌日に加工するが、納期の都合上数時間ほどで表面加工をしなければならないケースもある。常に乾燥性が課題となっていた。アズーラであれば解決できると感じた」と決め手を述べる。

 予想どおりアズーラは印刷現場にも受け入れられ、最初のテストにも関わらずアズーラが必要との意見で一致。「想像を超えるところまで水を絞ることができ、現場に驚きが広がった。また現像レスによる網点の再現性の面も魅力であり、このため総意として会社にお願いをした」と加地氏。

 

 

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加地部長 

 前田社長は「現場の意見を聞き、必要だと確信を得た」と導入を決断した。実際、以前では乾燥に3日ほど有する特殊なケースもあったが、協力会社の支援もありプレスコート加工のリードタイム短縮にも効果がえられた。さらに、刷り替えのリカバーも早くなり、「あっという間に刷版出力できるため、関連するストレスがなくなった」という。まさに生産性向上という大きなアドバンテージを得ることになった。

 加地氏はまた、現像工程から解放されたことによるメンテナンス負荷の軽減や、露光後はガム洗浄のみという環境面でのメリットも高く評価している。「印刷業の環境負荷は廃アルカリ。廃液処理装置もメンテナンスに若干は手間がかかる。アグフアのユーザー訪問でそのような設備がなかったことに衝撃を受けたことがある。製版オペレータの評価としても作業が軽減し、まったく不満はないと話している」と笑顔を見せる。

 導入に際してもアグフアのサポートには感謝のようだ。「当社が以前から行っている色の合わせ込みなどが正しいのか不安だった。導入にあたりアグフアにしっかりとサポートしていただき、約2週間で立ち上げることができた」と加地氏は大きな信頼を寄せている。

 

刷版出力工程が劇的に変化、多能工化にはずみ

 

アズーラとともに導入されたエキスパート・ローダーもダイビの頼もしい戦力となっている。エキスパート・ローダーは最大1200版積のパレットから直接装填可能なシステム。2018年のIGASでアグフアが提唱したプリプレスのファクトリーオートメーションの目玉として発表された後、国内で次々と採用されている。

 加地氏も早速、アグフアのショールームで実機を視察。「繁忙期の版数を考えると非常に便利であり、かつハンドリフトで装填するため、人が扱うことで生じるキズなども激減すると直感した」と採用の方針を固めた。 導入後には狙いどおり「以前では繁忙期に夜間出力を行うことで間に合わせていたが、現在ではその必要がない。2日に一回程度の頻度で十分に対応できる」(加地氏)と刷版オペレータの負担が大きく軽減した。
 

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エキスパート・ローダーで生産性向上+省人化を実現 

 

加えて自動現像機を使用していた際は朝に電源を入れてから機械が温まるまで作業ができなかったが、アグフアのシステム導入により迅速に刷版出力が可能となり、版待ちの問題も解消。アズーラと合わせ飛躍的に生産性が高まった。繁忙期における印刷と刷版部門の残業時間削減も達成、働き方改革対策としても役割を果たしている。「刷版出力は2ラインあるが、エキスパート・ローダーが便利すぎて集中してしまう。計画的に使用するように配分を考えなければならない」と加地氏は反省するが、同社の軸として機能している証である。

 一方、生産性の向上と同時に進展したのが多能工化となる。

 ダイビでは過去、「プレートの装填を怖がるオペレータが多かった」と加地氏。〝開封時にカッターでプレートを傷つけしまうのでは〟〝装填で合紙にシワがより詰まってしまうのでは〟という不安が原因であった。1日に何度も装填しなければならない同社において重いプレートを扱う労働負荷にプラスされる度重なるプレッシャーはいかに大きなものであったか。このため特定のオペレータに偏りがでてしまっていた。

 「専属のオペレータだけではアクシデントが生じた際に完全に止まってしまう。エキスパート・ローダーを導入したことにより複数人でローテーションを組んで回すことができるようになった」と効果を明かす。

 このような一連の改善に対し「アズーラやエキスパート・ローダーの導入は経営者として働き方改革を後押しするものにもなっている」と前田社長も自信を深めている。

生産現場の大改革、社員と会社の未来を紡ぐ

 ダイビではアズーラ、エキスパート・ローダー以外にもワークフローソリューション「APOGEE(アポジー)」、高精細XMスクリーニング「Sublima(スブリマ)」も採用した。大がかりな生産現場の大改革を行ったことになる。 前田社長は「一般的に現場のオペレータは職人気質で変化を望まない傾向にある。今回のような生産システムの変更には反対の声が当然あがるはずだが、まったく出なかったことに驚いた」と目を細める。加地氏が「細やかな対応が素晴らしい」と称するアグフアとの延べ3年にわたるキャッチボールが実を結んだ成果である。そしてまた「社員の意見を反映してくれる」(加地氏)という前田社長と社員の信頼関係があるからこそ実現したと言える。

 前田社長は「会社とは社会貢献は当然のこと、社員の幸せのためにあるのが基本だと考える。社員にこの会社で働いて良かったと思ってもらい、経営者としても入社してくれて良かったと、WINWINの関係になることを実現したい」をいうぶれることない思いが会社の未来を紡いでいる。

 生産体制の拡充を実現し、さらなるステップアップを目指すダイビ。今後もアルバムという大切な思い出の象徴を会社一丸となって守り続けていく。

 

 

会社紹介

株式会社ダイビ

代表取締役社長 前田 哲治

創業   大正7年3月

資本金  2,150万円

事業内容 

  •  スクールアルバム/学校案内/会社案内/写真集/絵画集/自費出版物/ポスター/カタログ/パンフレ
  • ット/ブライダルアルバム/各種印刷物全般/広告・宣伝及び販売促進助成物の企画・制作/ノベルティの企画・制作・運営

従業員数 110名

株式会社ダイビホームページ

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