佐川印刷株式会社

【対談】ビジネスの多角化でコロナに負けない経営

佐川印刷株式会社 代表取締役社長 佐川 正純

日本アグフア・ゲバルト株式会社 代表取締役社長 岡本 勝弘

 

佐川印刷(株)(本社/愛媛県松山市問屋町6-21)は早くから紙以外の印刷分野に着目し、設備投資、技術力習得などに注力している。2017年には日本アグフア・ゲバルト(株)のプレミアムLED UVインクジェットプリンタ「JETI MIRA 2716 LED(ジェットアイ・ミラ)」を導入し、従来のオフセット印刷、いわゆる紙の印刷ビジネス以外の第二のビジネスの柱を構築している。

この度、従来のオフセット印刷で培った佐川印刷の画像編集技術と、アグフアのJETI MIRAの特殊インクジェット技術によって愛媛県が主催する「えひめが誇るスゴ技 189選」に選定されたことを受け、佐川印刷 代表取締役社長の佐川正純氏と日本アグフア・ゲバルト 代表取締役社長の岡本勝弘氏による対談を企画。「スゴ技」に選定された背景とビジネスの多角化について語ってもらった。

 

えひめが誇るスゴ技について

岡本  この度は「えひめが誇るスゴ技 189選」にご選定、誠におめでとうございます。弊社のUVインクジェットプリンタが選定のひとつのポイントになったと伺い、非常にうれしく思っています。このスゴ技選定について概要や選定されたポイントなどを教えてください。

 

佐川  ありがとうございます。まず「えひめが誇るスゴ技 189選」ですが、これは愛媛県が全国的にも珍しいバランスの取れた産業構造であり、日本屈指の高い技術力や優れた製品をもつ「ものづくり企業」が数多く集積しているということに着目し、同県が平成23年度に「愛媛ものづくり企業『スゴ技』データベース」として整備したもの。内外へのPRによる販路の拡大、異業種間の技術マッチングを目的としており、現在では189社248技術が選定され、愛媛ものづくり企業として紹介されています。愛媛で特徴あるものづくりをしている企業とみなされるためには、ここに登録されている必要があります。

 当社が今回選ばれたのはUVインクジェットプリントという技術により印刷物に立体表現という新しい価値をもたらしたことがひとつのポイントです。オフセット印刷では色やデザインで視覚に訴えるものが中心でしたが、触覚に訴える印刷物の制作が可能になったのが大きな理由といえるでしょう。今回の認定のきっかけとなった当社が手掛ける「えひめの魚カレンダー」は、愛媛の魚をリアルに表現することができています。これは従来の手法と比べて凹凸が微細でなめらかに印刷することができるようになったおかげだと思います。今後も同技術を活かし、印刷物の可能性を広げる新たな表現にチャレンジしていきたいと考えています。

 

 

魚のうろこなど凹凸が表現されたカレンダー

 

 

岡本  アグフアのLED UVインクジェットプリンタは独自の技術で高い生産性を維持したまま厚盛りの印刷が可能になっています。また、ロールからボード系の材料まで対応でき、厚みも5cmまで印刷できますので、印刷できる材料は非常に幅広いです。「えひめの魚カレンダー」はその特徴をうまく活かし、インクの厚盛りで魚の特徴が素晴らしく表現されています。さらに魚のうろこやタコの吸盤など、非常に微細な点まで表現できており、厚盛りに階調までつけられています。素晴らしい出来ですね。

 

JETI MIRA

 

佐川  このカレンダーの制作では魚の撮影から当社で行いました。当社の撮影部隊が現地に赴き、漁師の方と一緒にボートにのって、新鮮な魚を現地で撮影。魚によっては時間が経つと変色してしまうものもあるため、新鮮な魚を撮影するというところまでこだわって制作したカレンダーです。撮影したデータは当社の制作部門で加工を行いました。魚のどの部位をどのように表現するかなど、熟練の技術者が完成したカレンダーのイメージを頭に思い浮かべながらデータ加工を行いました。従来ならば、印刷用のデータに加工するだけでしたが、触覚に訴えるためのカレンダーというコンセプトがあったので、魚の部位の凹凸をリアルに表現するために、当社が持つ技術を駆使して相当な時間を費やしました。

 また、魚の凹凸だけでなく、アグフアさんの「JETI MIRA」搭載の白インクやニスインクをいかにうまく使うかということも意識しました。タコの足の吸盤にはニスインクを使うことでタコ独特のぬめり感などをリアルに表現しています。

 

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