株式会社ニシカワ

Web to printでグループ拠点の工務一元化を目指す
-使い慣れた自社MISをJDFに対応させるコンバータを開発-

月刊プリンターズサークル 2009 年2月号掲載

 

■ 付加価値とワンストップのニシカワ笹井プラント

 販促支援サイトVARIO(バリオ)を展開するニシカワグループ(本社:東京都東大和市 代表取締役 西川誠一)は、オフ輪を主体とした商業印刷、販促イベントの企画・制作、デジタル印刷による可変印刷や大判ポスター、Web制作など、販売促進関連の情報メディア全般を事業ドメインにしている。

 現在はグループ会社の統括と販売および企画・制作の(株)ニシカワ、オフ輪印刷の西川印刷(株)と関東印刷(株)の体制で、9台のB縦半裁と新たに導入したA縦全判の計10台のオフ輪が稼動している。2007年12月から稼動が始まった笹井プラントは、付加価値とワンストップの統合化によるコストダウンの両方を狙い5年の準備を経て実現された。

笹井プラントにて西川社長と兼田氏

笹井プラントにて西川社長と兼田氏

 
   

旧来のMISをJDF対応のWeb to Printで変革

 同社は大きなIT投資を行ってきた従来の業務システムを最新JDF対応させて、笹井プラントを核にして3カ所に分散している生産拠点の進行管理を一本化しようとWeb to Printに目を付けた。

そこで選ばれたのがJDF対応のアグフア:APOGEEPortalである。さらに生産指示を追加入力できるように「JDFコンバータ」まで自社開発してしまった。 システムの最終的な目標は「刷版部門を無くしてWeb環境でプリプレスコン

トロール部門がグループ全体の工程管理を行う」という大きなプランである。その時にはCTP刷版の出力は工程管理が行うことになる。 西川社長はその経緯を、「JDFは避けて通れないと覚悟した。PDFもCTPも、その前のDTPの時も避けて通れなかった。避けられなければ人より先に自分たちのものにしたい」と力をこめる。

 10年前にPDF入稿をいち早く業界の中で始めた同社にとって、次の大きなステップがJDFをベースとしたWeb to Printであり、グループ内拠点+顧客+協力会社+製版外注(2社)を連携したシームレスな印刷ワークフローの構築である。

 
顧客要求の「スタンダード」を満たす:APOGEE Portal

 環境のポイントは、顧客がデジタルに詳しくなったことだ。DTPの出現当初、印刷業界は恩恵を受けた。しかし顧客のデジタル知識が豊富になった今日では、印刷工程のブラックボックスはほとんど無い。逆に顧客の環境にこちらが合わせざるを得ない。すべての顧客に対応するためにはスタンダード技術によるシステム構築が必須な時代であり、「特定のメーカーに縛られたシステムでは顧客に対応できなくなる」(西川社長)。

 この点で、:APOGEE Portalは業界標準のJDFがベースで、ユーザーの使い勝手も非常に良い。例えば完全データで当社に来て、「色のチェックも一切要らな い、責了でOKだから、その代わり何時までに確実にこの印刷物を上げてくれ」という要望もあるし、当日下版/当日納めの受注で「PDFさえ返してくれればそれでOKを出す、営業は動かなくていい」と言ってくれている顧客もある。それぞれに合わせられることが、一番楽であるし顧客に対しても良いサービスが提供できることになる。

   

刷版の自動化から始めて工程管理の一元化が目標

 戦略拠点としての笹井プラントを中心とした新たな生産システムの構築ということになるが、最初のステップは製版の自動化である(同社システム開発グループ 兼田克史氏)。

仕事の流れとしては、最初に営業マンは使い慣れたMIS上で受注伝票を起票する。そして笹井プラントへの制作データの入稿は、本社の制作部門、顧客や協力会社からWeb to Printの:APOGEE Portalにアップロードしてもらう。制作側では分版確認やオーバープリント、仕上がりなどを:APOGEE Portalで確認、校正が必要なら:APOGEE PrepressでRIPされたプルーフ用PDFをダウンロードしてカラープリンタ出力する。

 刷版の自動化から始めて工程管理の一元化が目標
 これによって:APOGEE PrepressによるOne RIPとなるため、印刷品質による校正が実現できる。顧客の承認(校了)後、プリプレスコントロール部門(工務)では自社開発した「JDFコンバータ」を立ち上げて、生産現場に必要な作業指示を書き加える。工務担当者が受注番号を選ぶと付随した製品名、クライアント名、受注数、ドキュメントスタイルなど、営業マンがMISに入力していた受注情報がJDFコメントに自動変換されて取り込まれる。
   

 そこに担当者が製版で必要なドキュメントサイズ、仕上がりサイズ、ページ数、プリフライトなどの処理内容、特色、オーバープリント設定、印刷工場の指定などの指示を加える。さらに印刷の号機予定も特記欄に記入できる。変更指示もJDFコンバータから受注番号で検索して表示させて作業指示を修正できる。すべてがWeb対応なので、顧客や協力会社の仕事も、どこからでも見える。
 環境と情報セキュリティへの対応環境対応ではAGFAのケミカルレスCTPプレート:Azuraとロングラン対応:Amigoで、笹井プラントだけでも1ヵ月に9000版近く出力する。

 エコステーションという断裁屑やアルミ板、ウエスなどの廃棄物が見えない区画もある。その他のエコロジー面ではインキ倉庫に集合設置されたコンプレッサーの余熱でインキの温度を安定させている。さらに、チームマイナス6%への加盟、日本印刷産業連合会のグリーンプリンティング工場認定取得(関東印刷2007年)、クリオネマーク「ゴールドプラス」、森林管理協議会FSC/CoCなどを取得し、環境対応の姿勢を示している。情報セキュリティでは、笹井プラントでは白紙と製品を1500ラックの自動倉庫で管理して、出荷する製品しか表には出てこない。比較的納期が短いチラシ印刷の宿命の平置きをやめて、悪意の第三者が印刷物などを持ち出せない環境も整備している。

 情報セキュリティでは、笹井プラントでは白紙と製品を1500ラックの自動倉庫で管理して、出荷する製品しか表には出てこない。比較的納期が短いチラシ印刷の宿命の平置きをやめて、悪意の第三者が印刷物などを持ち出せない環境も整備している。

 

ロングラン&アド・バリューを目指して

 印刷物への固形物の貼り込みや、ブックインブック(本の中に本を入れる)、本の中にCD-ROMやDVDを貼り込む付加価値型加工機のアタッチャーを設備するなど、オフ輪によるロングラン印刷に付加価値が加えられることが同社の強みである。B系列のオフ輪も2イン1システムとパラレル折りに対応、1台はパーフォレーターも付いている。また、初めて導入したA系列のオフ輪にはパラレル折り機を接続し、中綴じ機も用意したので出版印刷のみならず、チラシ以外の販促物やDMも視野に入れ、次なる展開を目指している。

 
 
 
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