株式会社ニシカワ

Webを核にマルチ展開 アポジーポータルの活用

印刷新報 2009 年5月25 日号掲載

 株式会社ニシカワ(西川誠一社長、東京都東大和市)は、アグフア社のJDFベースのWeb入稿・校正システム「:APOGEE Portal(アポジーポータル)」をアジアで初めて導入し、Web to Printの本格展開に乗り出している。同社は、西川印刷㈱と関東印刷㈱という生産拠点を持ち、ニシカワグループとしてチラシを主体とした商業印刷、販促ツールの企画・制作、Web・XML関連サービスなど幅広い事業を展開している。

 

◆新分野へのチャレンジ

 近年、印刷需要の減少により、各社とも事業領域を拡大させるべく、さまざまな展開を模索している。ニシカワにおいても得意分野であるチラシ需要が減少傾向にあることから、新たな分野への挑戦を掲げ、DMなど新規ビジネスを開始、確実に成果を上げている。

nishikawa_pre2.jpg

西川 誠一社長

 
 西川社長は「長年のビジネスモデルを継続していこうとすると無理がある。今までも、時代に合わせて変化を遂げてきたが、我々の得意分野の市場が縮小しているため、従来手がけていない分野に踏み込む必要があった」と説明するが、「必要に迫られないと歩みが遅く、結果として見れば対応のスピードが足りなかった」と社内のベクトルを同じ方向に持っていくことの難しさを明かす。しかし、西川社長が示した方向性に間違いはなく、社内も時代に後押しされて動き出したという。
 2007年には、ニシカワグループの将来ビジョンに基づき完成させた笹井プラントが稼働を開始し、さらなる生産体制の強化も実現した。
   

◆PDFワークフローへの取り組み

 ニシカワがいち早くPDFワークフローを導入したのは1999年。アグフア社が発表した初期の「:APOGEE」であった。「当社は制作と製造の拠点が離れていたため、ワークフローをいかに構築するかが課題だった」(西川社長)と話すように、ニシカワグループは西川印刷(株)と関東印刷(株)というオフ輪印刷の拠点とグループを統括し企画・制作等を行う(株)ニシカワに距離という隔たりが存在した。当時では通信環境が現在のように整っておらず、いかにデータ量を軽くできるかを考えた結果、PDFの採用に至った。
 西川社長は「ワークフローは現在もいかに効率よく、使いやすくできるかを考えている大事なポイントであり、当時も最先端のソリューションの一つとしてPDFを採用した。結果的にPDFはデファクトスタンダードになり、アドビ純正という判断も正しかった。APPEに進化している現在の状態でも新たな投資がなくスムーズに転換できる。アグフアさんのおかげで最短距離を歩いてきたと思っている」と手ごたえを述べる。
 現在では、JDF対応のWeb入稿・校正システムである「:APOGEE Portal」を導入し、Web to Printという次の段階へと進んでいる。

   

◆「:APOGEE Portal」で新機軸を

 「通信技術とサーバー技術、そしてワークフローのテクノロジーの3つが融合することが不可欠」という西川社長の理念のもと、同社ではJDF対応による生産拠点管理を目指しているが、そこで白羽の矢が立ったのが「:APOGEE Portal」であった。
 現状では、「ドットネット化した業務システムとPDFワークフローが:APOGEE Portalでつながった段階」(西川社長)だが、MISとスムーズにつなげるために独自のコンバーターを開発するなど、JDFワークフロー構築に懸ける熱意が伝わってくる。
 「:APOGEE Portal」について西川社長は「活用度合としては未熟だが、通常の社内業務を:APOGEE Portalで流すことを第一としている。社内で当然のフローにしてからお客様に広げていくことが大切。既存のお客様はもちろん、新規開拓の武器として活用していきたい」と期待を込める。
 「:APOGEE Portal」での業務フローは、顧客にWebを通じて制作データを入稿してもらい、ニシカワの製作部門で仕上がり等をチェックし、校正刷りを求められた時には「:APOGEE Prepress(アポジープリプレス)」でRIP処理されたPDFデータをプリンタ出力。顧客から承認された後、CTP出力し印刷に送られる。この際、顧客サイドですべての作業が可能となるため、トラブルを回避でき、またWebを介して作業が進行するため、営業マンが関わる時間や手間を省くことができている。
 このような機能を活かす例として、西川社長は広告代理店へのアプローチを挙げる。「広告代理店の元で無数につながるデザイン・制作会社の管理は非常に負荷がかかる。そこで、:APOGEE Portalのサーバーで一元管理することでデータの履歴管理も可能であることを提案すると面白い。当社のシステムであれば印刷と直結するため、常に最終の出力物を意識しながら作業を行うスタイルを構築することができる。時間のロスなく印刷用データが確認でき、エンドユーザーや広告代理店など仕事に関わるすべての人にメリットを享受することになる」(西川社長)と、ミス・ロスの許されない環境のなかでこそ強みを活かすことができる「:APOGEE Portal」のソリューションを積極的に提案していく構えだ。

   

◆Web to Printの本流を目指す

 Web to Printは、日本国内での事例がまだ少なく、名刺やはがき等のオンデマンド印刷の延長線上というイメージが先行している。しかし、西川社長は「本流は自社の本業でWebを活用し、プラスαとして何ができるか。マルチアウトプットという印刷物が中心の考え方から、今後はWebが核になり、そのなかの展開の一つが印刷となる。まさに、Web to Printは印刷業界のキーワードになる」とその可能性に目を輝かせる。
 「:APOGEE Portal」をアジアで初めて導入し、戦略的ツールとして活用を進める西川社長の展開は、今後のWeb to Printのビジネスモデルを数多く生み出すことになりそうだ。

 
 
 
  導入実績   btn_product.jpg   btn_top.jpg