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今家印刷株式会社

高水準の印刷安定性確保

「アポジー・プリプレス」「アズーラ」採用

日本印刷新聞 2019年7月1日号 掲載


 

 書籍印刷・ページ物印刷をメーンに展開している今家印刷㈱(本社・埼玉県戸田市早瀬1の5の1、今家裕久社長)が今年1月、宮城・名取に新たに仙台工場を開設した。これまで同社では本社近隣に3工場を展開しており、この新工場は同社としては初めての遠隔地となる。当然のことながら、生産拠点は離れても、納品する製品の品質は同一であることが求められる。そこで同社では、印刷品質にブレが出ないよう、両拠点のプリプレスワークフローを一元管理できるアグフア製の「アポジー・プリプレス」を採用するとともに、プレート出力時に現像液の品質によって網点品質が変動することがないアグフア製の現像レスプレート「アズーラ」を採用し、高水準の印刷安定性を確保している。

 

 今家会長

 

 

 同社は昭和41年に創業した書籍印刷・ページ物印刷を主とする印刷会社。埼玉・戸田に本社および工場があり、四六全判2/2色機3台、菊全判2/2色機2台、四六全判1/1色機3台の計8台の印刷機が稼働する。モノクロのみならず2色物も得意としており、特色印刷への対応力の高さにも定評がある。

 同社が仙台工場を新設した狙いは主に2つ。1つは、地震などの自然災害が万一起きた時のリスク分散や事業の継続性といった観点から、遠隔地に拠点を設けた。この仙台工場が立地している愛島西部工業団地にある別の工場が東日本大震災の時でも大きな被害がなかったことから、意図に適した土地だと判断した。

 

2つ目の狙いは、これまでは書籍の本文のみの印刷をしていたが、表紙印刷、折り、製本、穴開け、梱包などの全工程をワンストップ生産できる環境を構築することで、分業による横持ちのコストや時間を削減するためだ。

 このような遠隔地工場間での印刷品質の均質・標準化に大きく貢献をしたのが、同社が平成27年から採用した、現像レスCTPプレート「アズーラ」と「アポジー・プリプレス」だった。そもそもこれらの採用は、遠隔地工場間での均質化を目的にしたものではなかった。「当社では以前から環境配慮に力を注いでおり、産業廃棄物やVOC排出の低減に努めている。たとえばCTPから排出される現像廃液は工場建物の基礎内に通したパイプラインを通ってタンクへと直接流れ込むようにしており、外気には一切触れない構造としている。そのような観点から、環境配慮の面でさらにいっそう高レベルとなる現像レスCTPプレートに着目した。以前、同業者からの仕事で機上現像タイプのプレートを支給されたことがあったが、目視で絵柄を確認できない上、湿し水のバランスも崩れて印刷がしにくかったので焼き直しをして対応したことがあった。そこで、目視検版ができて、CTPから出力されたらそのまま印刷機にかけるだけで済む“アズーラ”を採用した」(同社・今家元治会長)

 

本社工場で稼働する「アバロン」

 

 

 

 本社工場では2台のCTPが稼働し、1台は「アズーラ」出力専用、もう1台は他社製の現像を要するプレートの出力用となっており、その使用比率はほぼ半々となっている。同社は小ロット物を得意としていることから、現像工程不要で出力が速い「アズーラ」を小ロット用途、従来から使用しているプレートは比較的大ロットな仕事用として使い分けている。

 しかし「アズーラ」を採用し始めた当初は、印刷オペレーターからの拒否反応もあったという。 

それは、プレートの砂目構造の違いによるもので、従来から使用していたプレートは砂目が深いので湿し水をたっぷりと含むことができるので地汚れを起こしにくかったが、一方の「アズーラ」は均一で浅い砂目構造なのでプレートが湿し水を必要以上に抱え込むことがないため、きちんとコントロールをしないと地汚れを起こす傾向があったからだ。

それゆえに印刷オペレーター達は当初、従来からのプレートを使いたがる傾向にあった。ただ、それも使用していくうちにコツを掴んで慣れていき、今ではしっかりと湿し水量を絞った印刷を難なくできるようになり、印刷品質も向上したという。「現像レスプレートなので、現像液の状態によって網点品質が変化することもなく、文字のエッジもしっかりとする。1色ですべてを表現するというシンプルなモノクロ印刷だからこそ、印刷品質への評価はシビアでごまかしが利かない。この“アズーラ”で印刷をすると、ほかの印刷会社の印刷物よりもしっかりとした強い文字になるという特徴もある」と今家会長は「アズーラ」に高い評価を下している。


仙台工場で稼働する「アバロンN8-90」

 

   

  

そして今年1月、仙台工場の稼働開始にあたり、この「アズーラ」と「アポジー・プリプレス」の存在が、遠隔地間での運用を容易にさせた。仙台工場では、プレートは「アズーラ」のみを使用し、CTPもアグフア製の四六全判CTP「アバロンN8-90」を採用している。仙台工場の稼働開始当初はCTPオペレーターがいなかったため、本社工場から遠隔指示で刷版出力をしていた。「生産する工場が違っても納品する印刷物の品質は同じでなければならない。

そのような面でも同じRIPで処理することはポイントとなる。また、現像レスプレートは品質がブレないので、双方の面から品質を担保できる。“アズーラ”を出力するにあたって、現場に人がいなくてもスイッチさえ入っていれば遠隔地からでも出力できるので、24時間稼働している本社工場から夜中に出力指示をすると、1シフトの仙台工場では朝一番からすぐに印刷に取り掛かることができる」(今家会長)

 仙台工場では四六全判2/2色機のほかに菊半裁UV6色印刷機が稼働しており、この6色機は同社にとって多色機としてもUV印刷機としても初めてのものとなる。仙台工場で使用するプレートはすべて「アズーラ」なので、この印刷機でももちろん使用されている。「耐刷性に不安があるという噂も聞くが、その点の対応力が向上した最新バージョンの“アズーラTU”ではなんの支障もなく運用できている。UV印刷も多色印刷も我々にとっては初めての取り組みだが、モノクロおよび2色印刷で頂いている高い評価を損なうことのない品質が再現でき、うまく滑り出すことができた。仙台工場では8月末に四六全判1/1色機を増設する。東北地区の書籍印刷の担い手としてみなさんから支持してもらえるよう、さらに努めていきたい」と今家会長は今後の展望を表している。

 

 

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