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株式会社共立アイコム

アズーラ速乾が現場を変えた

革新による利益は約2,000万円

わずか3ヵ月で6台の枚葉機で速乾印刷を立ち上げる

プリテックステージニュース 2014年5月25日号掲載 

 

 株式会社共立アイコム(静岡県藤枝市 小林 武治社長)は日本アグフア・ゲバルトの現像レスCTP「:AzuraTS(以下アズーラ)」を採用し、油性印刷による速乾印刷を実現したことで生産現場を大きく革新した。革新による利益(コスト削減効果)は年間で約2000万円と見ており、同社の小林武治社長は「現場からの進捗の報告を聞いてはじめは本当かと思ったが、良いところばかり。アグフアさんには感謝している」と絶賛している。現場を変えたきっかけはアズーラだったが、そこにはオペレーターの意識改革と高い士気があった。

icom_kobayashi.jpg 小林社長

 
   

 同社は昭和29年に創業した従業員140名の印刷会社で、創業以来堅実な経営を続けている。企画・制作から印刷・製本・発送までワンストップで受注し、ここ数年は印刷を核に様々なメディア、情報に関わる「情報価値創造業」への変革を進めている。同社の小林社長は「当社は情報を扱っている会社だという意識を持っている。新たに登場したWebやSNSなどのメディアを含めて自ら仕掛けていきたいと考えている。その中で一番得意なのが印刷」と、自社を位置づけている。

 一方、受注する印刷物は年々、小ロット化が進んでいる。単価も下がっており、仕事量が売上にそのまま反映されにくい。枚葉機6台(菊全8色、4色ほか)、輪転機3台(B3)を擁する生産現場では、月次の目標を立てて日々の改善活動を進めつつ、利益なき繁忙に対する根本的な解決策を模索していた。そうした同社がアズーラを知ることになったのは、日本アグフア・ゲバルトからの一本の電話営業だった。当時、版材の見直しの時期で、他社のプレートにほぼ決まりかけていた。ところがアズーラによる速乾印刷の提案に「本当だったらすごい話。これは研究した方が良い」と判断。選定を白紙に戻し、工場長をはじめ、3名ですでにアズーラによる乾燥促進印刷を実践している吉田印刷所(新潟)、速乾印刷を確立している平河工業社(東京)を視察することになった。

   

 同社執行役員の大石修生産本部長兼生産管理部長は、「印刷してすぐに反転する吉田印刷所様、平河工業社様を見学してすごいと。ただ、同じ設備を使っていたので当社にもできないはずはないと感じた」と、アズーラへの切り替えを決断。アグフアのアドバイスを受けながら、まず、夜を徹して菊全8色機の徹底的なメンテナンスに取り組んだ。ローラーがよみがえった印刷機はすぐに結果を出す。ともに取り組んだオペレーターも手応えを感じ、結論を促したのは現場からの「行こう!」という声だった。

 大石氏は「タック値が下がり、インキ離れが良くなるので機械のスピードが速くなった。オペレーターは休憩時間でもアズーラの話題ですごく盛り上がっていた」と振り返る。小林社長も「10年間、業態変革を考えてきたが、今、変革が一番進んでいるのが印刷現場。彼ら自身が仲間に語りかけている。個人単位でなく部門、部署単位で意識が変わった。アズーラ速乾印刷に取り組んだ事でオペレーター同士の絆が強くなった」と述べている。 

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大石生産本部長兼生産管理部長

 

アズーラによる速乾印刷の効果を最大限に発揮させるには機械メンテナンスが欠かせない。同社では週初めの朝1時間でローラーメンテナンスを実施し、1ヵ月で全ローラーが速乾仕上がりとなるよう実行している。1時間、決めた時間に1台のメンテンスを実行する。メンテナンスを怠りトラブルが発生した場合、そのトラブルに対応する方がメンテナンスの何倍も苦労する事になるため、オペレーターには必ず実行するという意識が浸透しているという。「機械の癖が減少し、標準化されたため、各オペレーターが複数台の印刷機を扱えるようになった」という効果も表れた。

 アズーラへの移行は現在100%。輪転機を除き、わずか3ヵ月ですべての印刷機で速乾印刷に対応してしまった。現場の士気の高さに加え、10年前に現在はアグフアのプリンティングアドバイザーである知識氏から受けたアドバイスが基盤となり、また各オペレーターの機械メンテナンスが行き届いていたため、早い段階で速乾印刷に切り替わった。速乾印刷に取り組む以前と比べ、段取り時間短縮および機械回転数向上などで生産性が20%上がった。輪転機も一気にアズーラに切り替えて、20万部印刷しても問題ないという。もともとオフ輪のヤレ紙は少なかったが、アズーラにしてから2,000枚程度から更に1,300枚程度に減っている。

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全てのプレートがアズーラに。写真は:Avalon N8

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左から速乾印刷を率先した近藤氏、大石氏、鈴木氏

アズーラの効果は人件費や時間も合わせ年間約2000万円と試算している。現在、月間の削減目標を掲げ、その数値に向かい全社で取り組んでおり、7割方達成してきているという。小林社長は「同じ生産システムで版を変えただけ。ほとんどリスクがない。ローリスクハイリターンだった。今年度は材料費が上がっても対処できると思う」と高く評価する。印刷部門の士気の高まりは、それを肌で感じ「印刷の上がりが早いので仕上げが間に合わない」(大石氏)という現実を目の当たりにしている後工程部門にも波及しつつある。

 小林社長は「印刷業はものが言えない体質にあると思う。本当にお客様がそこまで急いでいるのか。資材価格の上昇分の価格転嫁を含めて、業界全体で考えなければならない問題だと思う」と考える。また、互いに厳しい経営環境に置かれる中、「この速乾印刷を広めたいし、そのお手伝いをしたい。当社の勉強にもなる。悪いところはなにもない。ぜひ挑戦して頂きたい」と、アズーラによる速乾印刷に絶大な信頼を寄せている。 

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