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株式会社藤和

効率化が一段上昇へ

「アズーラ」が新基準作りの軸  浅い砂目に着目

印刷新報 2014年5月22日号掲載 

 

 顧客の色に対する好みが多様なため、自社のカラーマッチングや印刷機の明確な設定基準を決めることは難しいと考えつつも、そのままでは色出しに時間がかかったり印刷品質が不安定な状況が続いてしまうと悩む印刷現場が多いようだ。ただ、基準がいったんできると、顧客の好みと自社の基準との距離を把握でき、色再現の合理化が図れるとともに、品質向上への取り組みを継続させることができるようになる。多種多彩な仲間仕事を請け続けている㈱藤和(東京都三鷹市、後藤範行社長)は品質への危機感を感じた10年ほど前、ISO9001の取得をきっかけに品質向上のために本格的に印刷機の設定や色の基準作りに着手。

towa1.jpg 後藤社長(左)と伊藤工場長

 

取組みの一環でさまざまな資材をテストする中で、5年ほど前、日本アグフア・ゲバルトの現像レスCTPプレート「:Azura TS(アズーラ TS)」の安定した網点品質や水を従来より絞れる特長に着目、さまざまなテストを経て2年前より全面採用した。

自動現像機でのゴミ付きがなくなり、そのための対応時間が削減、現像機の立ち上がりを待つ時間も不要となり、工程合理化とともに、従来よりも一段レベルの高い、新たな基準作りにつながった。

   

5年前から水を絞る意識に

 

 同社は同業からの仕事がほとんどを占めており、「どんなものでも引き受けている」(後藤社長)という。支給版での印刷に加え、スミベタ濃度2・4で刷る必要のあるものや、平台校正の見本のスミ色がグレーになってしまっているもの、どんな基準で刷ったか分からないものを見本にしての印刷など、手ごわい仕事が「ざらにある」厳しい業態を展開している。本社工場と戸田工場(埼玉県戸田市)の2工場に計6台の印刷機を持ち、24時間稼働させて対応している。

 

 同社が本格的に工場改善に乗り出したのは10年ほど前。刷り見本を出すのに苦労するなど、印刷品質に悩んでいた。そこで「顧客の視点に立とう」を合言葉に、印刷機メーカーの指定するメンテや設定を守ることから着手、機械の性能を最大限に引き出し、品質向上を目指した。やればやるだけ結果は返ってきた。本社工場の伊藤英隆工場長は「品質が上がるとともに印刷が非常に楽になっていった」という。取組みはどんどん深まり、「水を減らしたり、ニップを変えたり、仕立てを変えたり、年間のメンテ計画を立てるなど、さまざまなことをした」。湿し水ではpH値、濃度、導電率の適切な管理を続けた。

   

 印刷は変動要素が多い。印刷機とさまざまな資機材による総合技術でもある。同社ではこれまで、インキやブランケット、プレート、湿し水など、さまざまな資材をテストし、入れ替えてきた。「そうするとおのずと、当社に合うものと合わないものが見えてくる」(伊藤工場長)と実感するようになった。そして徐々に、自社の基準印刷を構築していった。

テストを日常的に続ける中で、5年前にはアグフアの現像レスプレート「アズーラ」を試すことになった。アズーラの、現像が不要でブレのない正確で安定した網点を生成できる特長と、浅くて細かい最新の砂目構造「フラットサブストレート」により、水を絞ることができる点に関心を持った。

 

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アズーラを出力するCTP:Avalon N8(中央)と

クリーニングユニット(奥)

結果として、「アズーラを採用してまず、ゴミ付きが劇的に減った。また、それ以前から水を絞ることに取り組んでいたが、当時は汚れたら水を上げて対応していた。しかしアズーラではそのスタイルから脱却できた」という効果が表れた。また、「ある程度まで水を上げたら、水棒を親水処理してリセットするということを覚えた」という。プレートと水棒の両面から、水幅を抑える意識につながった。

 

アズーラで新基準、「あらゆることが楽に」

 

水を絞れば絞るほど、印刷品質と効率が上がることが分かってきたという。「水を絞れば濃度が上がるし、網点の着肉も良い。また、インキの量も削減できているのではないかと思う。立ち上げ時間も早くなり、作業効率がいい方向に進んでいった」。品質向上のためにさまざまなことに取り組んだ上で、アズーラでの印刷に好感触を得たことで、アズーラを軸に両工場の新しい印刷基準の構築に着手し、現在までに、全印刷機のカラーマッチングの構築に至っている。

 

アズーラでの印刷について後藤社長は、基準濃度でどんどん刷れる仕事には「ぴたりとはまる」とみているが、同社はむしろ、そうでない仕事の方が多い。極端な例としては、Dローラー上のニップを15ミリほどにしたり、チラーで温度を上げたり、水舟に氷を投入するなど、荒業で対応しなければならない難しい仕事もある。ただ、伊藤工場長は「そうなるとますますアズーラの力が必要」だと感じている。現像という変動要素がないため、版上に、基準として狙った網点を安定して再現できる。他社の現像有りプレートでは±1%の網点のブレがあったが、アズーラは毎日測定して1ヵ月のフレ幅が0だった。そのため自社の明確な基準が作れた。基準があるのでそこから経験やデータに基づいて印刷機側でインキ温度を上げたり、加圧するなどしてドットゲインをコントロールすることが想定の中で可能になっているという。さらに色出しも早くなり、予備紙の削減も行えた。「逆に、基準を持っているから何でもできるということだ。なかったら本当にばらばらのまま印刷することになる」と強調している。「新しい基準ができてあらゆることが楽にできるようになった」というのが実感だという。

   

廃液処理など経営面でも効果

 

アズーラの採用による効果として後藤社長は「経営面では、ごみの減少で作業効率が良くなったこと」を一番に挙げている。また、「似たデザインの差し替え版の印刷が多いため、検版性がいいこともメリットになる」と語っている。

 さらに、廃液も劇的に少なくなっている。従来、戸田工場だけで、1週間に20リットルタンクで8本程度排出していたのに対し、現在は2本程度に抑えられているという。ガム液についても「普通の産廃として処理できる点がものすごく大きい」と指摘している。

 

水の使用量については、同社はさまざまな仕事を処理しているため、同条件で従来との比較は難しいが、「大型機のある戸田工場のオペレーションスタンドの記録によると3~5%程度削減できているということはいえる。小型機の本社工場では従来、1日に20リットル補給していたのに対し、現在は10リットルで済んでいる」と話している。

 後藤社長は「当社として品質改善への取り組みを続け、いい資材を探そうという方向の中にアズーラがあり、それを評価し、導入する流れになった。他のことで特別に何かをすることなく、印刷品質も効率も向上させることができた」と振り返っている。「現在は品質を評価していただき、直受けの仕事も増えてきている」。今後については、「カラーマッチングを実現した現在の状態をスタートとしてとらえ、さらなる効率化と品質向上に取り組んでいきたい」と期待を寄せている。

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