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原多印刷株式会社

アズーラ速乾に挑戦、品質強化を図る

アポジーで面付けのボトルネック解消

プリテックステージニュース 2014年7月15日号掲載 

 

 「スーパービジョン印刷」、「HiFiカラー印刷」の高品位印刷で、同業者からの信頼も厚い原多印刷㈱(原多鈴乃社長)は、今年3月、アグフアの水が絞れる現像レスプレート「:AzuraTS」(以下、アズーラ)を導入し、油性インキの速乾印刷に取り組み始めた。また、2月にはアグフアのワークフローシステム「:Apogee」(以下、アポジー)を導入し、面付の自動化など業務の効率化に効果を上げている。

原多印刷は、モアレが発生せず、細部の再現性、鮮明な表現力が高い「スーパービジョン印刷」、7色による広色域印刷「HiFiカラー印刷」の印刷手法を構築し、その技術力の高さで知られている。技術を裏付けているのが、たゆまない「教育」の継続である。先代の原多淳前社長が開講したカラー印刷技術の勉強会「無限塾」は毎回、最高クラスの講師を招き、月に1回開催されている。無限塾は同業者にも開放されており、社員同士が互いに切磋琢磨できる場にもなっている。

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原多鈴乃社長

 
   

同社がアズーラとアポジーを知ることになったのも、その無限塾だった。アグフアから講師を招き、油性印刷による速乾印刷と、面付の自動化のキーワードが同社の技術者の琴線に触れることになる。アズーラで水を絞ることで、印刷紙面の乾燥を促進する技術は噂で聞いていたが、半信半疑のところも多かった。しかし、昨年夏の無限塾をきっかけに、同社の技術者が、アズーラによる速乾印刷を実現している印刷会社を視察。「自分たちもできるのではないか」との報告を受け、今年2月、原多鈴乃社長が「高品質を求めるのであれば水が絞れてしかるべき。オペレータにも話したところ尻込みせず〝やってみよう〟という声が上がったので、私も非常に前向きになれた」とゴーサインを出し、アズーラ導入が決まった。

同社業務部の岡本直人課長は、「当初は水が切れて乾きが良くなると聞いたが、機械のセッティングが難しいのではないか、と感じた。ところがテスト印刷で、水をかなり落しても汚れなく刷れた」と、テスト開始直後から大きな手応えを感じた。実際にアズーラは水幅が狭いプロ仕様のプレートである。ただ、シビアなセッティングや高難度の技術が求められるというわけではなく、機械のメンテナンスが大きなウェイトを占める。当たり前のことを当たり前のようにできる環境ができていれば、スムーズに立ち上がる。

   

 同社は従来から「印刷の標準化」に取り組んできた。安定した色を維持するため、毎日、ローラーの清掃を続けているほか、菊全8色機2台、菊半8色機1台の3台の印刷機は月に1日、定期的なメンテナンス日が設けられて、リフレッシュされている。「思っていたよりも難なく立ち上がった」のは、標準化の取り組みがベースとなった。

 繁忙期だった3月は手探りだったが、4月に入り、線数に応じたカーブ調整などアズーラ立ち上げの準備を本格化。5月から本格稼働を開始し、6月には総版数の約半分までアズーラが占めるようになった。

 速乾印刷により、乾燥速度は体感的に上がっている。また、インキの被膜が薄くなったことで、さらに品質が向上したとも報告を受けている。「これまでと変わらずに印刷できるのは当社の現場の力。もともと許容範囲が狭いところで仕事を続けてきたからだと思う。今はアズーラで印刷できる業務を増やしているところ。一段落したら速乾印刷や品質向上、生産性を数値的に検証していく」という。

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アズーラの導入に伴いアグフアのCTPシステムを新設

 

多ページでも安心して面付 作業現場で多能化

 アズーラに先立って2月に導入したワークフローシステムのアポジーでも確かな効果を上げている。

 同社では年々、短納期が求められており、プリプレス業務を効率化して下版までの時間を短縮することが課題となっていた。アポジーの導入はCTP出力前の工程でボトルネックとなっていたワークフローのスピードアップ化を図るとともに、面付作業の高速化を実現した。面付作業は間違うと大きなロスにつながる。しかも製版・印刷・製本までを熟知している必要があり、同社でも限られた人員しか面付作業に携われなかった。

 無限塾で聞いた「面付の自動化」のプレゼンテーションはそうした課題を解決する糸口として感じられた。アポジーの機能の一つである「:APOGEE Impose」(アポジーインポーズ)は、印刷製品の仕上がり仕様情報、印刷機情報などの諸条件を入力しておけば、瞬時に面付が完了する。アポジーの導入後は、イラストレータが操作できる作業者であれば面付もできるようになり、多能工化が進んだ。結果的には繁忙期には受付けきれなかった何ページにもわたる頁物でも安心して受注でき、突然、割り込んでくる急ぎの業務や、菊全判から菊半裁判への機取りの変更時でも面付が自動化されることで即座に対応できるようになった。

 また、同社ではアポジーからデジタル印刷システムへの出力をテスト中。完了すれば、オフセット印刷とデジタル印刷との一元的なワークフローが構築される。これによりオフセット印刷によるプリフライト設定がデジタル印刷にも充てることができ、手作業だったデジタル印刷のデータ検証も自動化される。アポジーは、将来的に同社の中核的なワークフローの役割を担うことになる。

 原多社長は、今回のアグフア製品の採用について「まだまだ速乾印刷は初心者だが、チーム一丸となって取り組んでいる」と述べる。また、「品質はお客様の期待以上のものを提供する。そこに原多印刷のプライドがある」と、同社の強みである〝品質〟を一層強固にするシステムとして期待するとともに「アズーラにより現像機の管理と清掃作業から解放された。これからアズーラの割合を増やしていく。また、AMとFMの長所を持つアグフアのXMスクリーニング「:Sublima(スブリマ)」にも取り組み、品質を一層強化していきたい」と述べている。

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ワークフローシステム アポジーを活用

 
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