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株式会社平河工業社

人と環境に優しい工場
現像レスCTPアズーラで速乾印刷も実施

 

プリテックステージニュース 2012 年11月25 日号掲載

 

 株式会社平河工業社が2006年、「人と環境にやさしい工場」をコンセプトに東京都板橋区に開設した小竹事業所は、同社が取り組む環境経営の旗艦工場として稼働している。2009年に導入したアグフアの現像レスプレート「:AzuraTS(以下・アズーラ)」で現像廃液の削減に着手。今年5月ににはアズーラを活用した〝水が絞れる〟速乾印刷に着手し、生産性を格段に向上させている。
 エコプラントの小竹事業所では夏場など冷気を使う場合、夜間に生成した氷を使う「エコアイス」システムを導入して消エネ化。また、地下には一般排水を適正なphに中和する装置を設置している。
 同社の和田有史常務取締役は2005年に現像レスプレートのアズーラの特徴に着目していた。現像廃液の削減という環境配慮に加えて、「現像液はその状態によって現像結果が左右されやすく、版の品質を安定させることが難しい。現像レスであれば品質が安定しやすい」と考えた。当時は生産性の面から導入を断念したが、2009年に登場したアズーラTSは1時間に27版を出力するまでに生産性が向上し、導入を決断。アズーラを使うことで印刷物に「クリオネマーク」を入れることもでき、顧客企業のイメージアップにも寄与できることも後押しした。

小竹事業所では:Azura TSを全面採用

小竹事業所では:Azura TSを全面採用

 

 
   
  当初、アズーラは本社事業所に設置。本社事業所と後楽事業所のモノクロ印刷を中心に利用していた。小竹事業所では2010年より、カラー印刷の一部でアズーラを利用し始め、2011年に全面採用。全社的にも再版等で顧客が他社の版を要望する業務を除く約90%のアルミプレートがアズーラに切り替わった。
 同社の和田常務取締役はアズーラ全面採用の動機に、現像レスによる環境対応、クリオネマークのカラー印刷への展開と、アグフアの高精細スクリーニング「:Sublima(以下スブリマ)」の導入を挙げる。とくに「スブリマでワンランク上の品質を一つの武器にしたかった」と、環境と営業の両面での好影響を期待した。
 今年5月にスタートした速乾印刷は水を徹底的に絞ることにより、インキ量も削減。結果的に紙面の乾燥を早めるもので、同社では一般的な用紙、絵柄であれば約5分で一時乾燥が完了する。水を絞って印刷するためには適正濃度での印刷が要求されるため、インキローラーのインキ転移性、水棒の最適化による水量の調整が不可欠になる。つまり、日常のローラーをはじめとする綿密な機械メンテナンスが問われてくる。
 平河工業社ではアグフアから紹介された東京テックプラスの加藤隆行氏のアドバイスで速乾印刷に着手。日常の機械管理がベースとなり、わずか1ヵ月で顧客を招いた内覧会を開催できるまでに速乾印刷をマスターした。
 「速乾印刷も環境配慮型印刷になる。インキ量も減るほか、インキ転移性が上がって反応が良くなりヤレ紙と立ち上げ時間が削減した。裏付きでやり直しに伴う時間や資材も抑えられる」と効果は絶大。CMYKで300%というベタの多い印刷物でも板取り作業がなく作業性が向上し、しかも後加工にすぐに移れ、乾燥待ちの滞留も解消した。この速乾印刷の実現では水が絞り易いアズーラの構造設計が寄与する所が大きい。
   

和田常務取締役は「ここまで一朝一夕にはできなかったと思う。長年、当社が培ってきた技術がアドバイスを頂くことで『速乾印刷』という新しい成果を得ることができた。乾きにくく難儀していたスーパーユポの印刷も一時乾燥が40分で済むようになった」と述べる。ドライダウンが抑制され、品質管理もしやすくなり、インキを盛るよりもグロス感が出て見た目も美しくなる。
 現在、小竹事業所で大きな成果を得たアズーラによる速乾印刷を今後、他の事業所にも展開し、環境対応と生産性の向上で顧客の利用機会を増やしていく。
 現像レスプレートアズーラの導入による廃液削減効果、スブリマでの高精細印刷、そして速乾印刷への取り組みについて、平河工業社ではこれら一つ一つの取り組みを積み重ねることで、単なる足し算では終わらない会社としてプラスαの大きな改善効果を生み出している。「それが会社としての源泉になると確信した」と和田常務取締役は語っている。

内覧会でも高い関心

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