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惠友印刷株式会社

アズーラ速乾印刷で社内改革

社員の意識向上のきっかけに

2013年10月25日付 プリテックステージニュース掲載 

 惠友印刷株式会社(東京都板橋区大原町、萬上圭輔社長)はアグフアの現像レスCTP「:AzuraTS」で、速乾印刷を実現している。速乾印刷に取り組む過程で、社員の意識改革が進み、生産効率の向上に加え、社内基盤の強化にも繋がった。

 同社は1995年、東京・飯田橋で創業し、大判ページ物印刷を中核に事業を展開してきた。2008年には菊全判4色オフセット枚葉印刷機を導入し、商業印刷分野に参入。昨年、デジタル印刷システムを導入するなど、弛まない最新設備の導入と、それをフル活用する人材育成に力を注いでいる。

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萬上常務取締役(右)と大島工場長

 
   

 現像レスCTPの:AzuraTSを導入したのは2011年2月。ところが自動面付機能を搭載したワークフローシステムの:Apogee7と同時に稼働し始めて間もなく、3月11日の東日本大震災が発生した。

 同社の大島勝範専務取締役板橋工場長はこの時のアグフアの対応について、「設置場所が良かったのか、アグフアのCTPシステムはすぐに立ち上がってくれた。何より震災翌日の明け方にアグフアの営業マンが、交通機関がマヒしている中、自力で来てくれたのには驚いた」と感謝している。なおかつ、いつも的を射た提案を持ち寄るアグフアの営業担当者の信頼はさらに大きくなった。

その年の後半、アグフアから提案を受け、速乾印刷を実現している同業者の工場見学会やセミナーに出席した大島工場長は「あの理論にはすっと入っていけた」と、速乾印刷への興味を高めた。経営側も効果が高いと判断し、全社的に取り組むことを決定。社内に「技術向上委員会」を立ち上げ、コンサルタントの指導の下、水を徹底的に絞る印刷手法への挑戦を始めることになる。

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 アズーラを出力するCTPシステムアバロン

 

 

 初めに取り組んだのが、ローラに付着したグレーズの除去。ローラが銀色になるまで徹底して磨き込んだ。また、徹底的に水を絞ることができるということは胴に当たる風さえも変動要素となる。このため機械に風が当たらないよう、速乾印刷に取り組む過程では二重に遮蔽するなどの工夫を凝らした。「アグフアの版はシビアなプロのプレート。砂目が細かく、水が乗っていなくても光って見えてしまう。それが他社の版と違う点で、その特性が判れば高い品質を得ることができる」(大島工場長)。

 改善活動を続けた結果、「インキの目盛が半分以下にどんと下がって、光沢感も引き出せた。適正なパウダー量を把握する過程でブロッキングも発生したが、ほどなくそれも解消した。インキを薄く盛ることでトラブルは当然少なくなる。しかもコート紙なら5分程度で乾き、裏面が印刷できる」との効果を得て、今年2月には速乾印刷の実践投入に成功した。

 

■ 若いオペレータの自信に

 同社のカラー機はKOMORIの菊全4色機とリョービのB2・5色機の2台。速乾印刷への挑戦に伴い、技術の標準化も進めた。昨年10月にカラーマネジメントシステムを構築し、JapanColor標準認証を取得したが、認証取得により、数値管理の徹底が習慣化。測色でインキの盛り量や機械の状態を判断している。

 印刷作業の標準化にあたっては「ツインオペレーティングシステム」という名称で、1人で2台の印刷機を操作できるオペレータを育成。速乾とカラーマネジメントへの取り組みが高度な技術講習となり、腕の良い職人並みの印刷が可能になった若手オペレータは自信をつけた。

 「オペレータは一度良いものを作るのは簡単。それを恒常的に保つのはなかなかできない。技術向上委員会の活動で様々な意見を交わし合う過程で、印刷物は乾かないものという固定概念が取り払われ、社員の意識が変化し、独自の工夫をしてくれるようになったのは大きい。仕事が楽しくなり、プライドも持てたのだと思う」(大島工場長)

 

■ 安定して色が出せる。

 速乾印刷を実践し、版の処理量は半年前に比べ1割以上増えた。当初は小ロット印刷が多いので速乾にする必要がないという意見もあったが、返しが早くなるなどの小さい時間短縮の積み重ねがその結果を出した。何より大島工場長は「この印刷の乾燥は1日かかりそうだという根拠のない判断がなくなり、時間を読めるようになった。乾かないとの意識に支配されていたのが、時間を管理できるようになったのはものすごい変化」と評価している。

 自発的に動くようになった若いオペレータだけでなく、「職人さんはあまりしゃべらなかったが、今では会議をしている」と、速乾印刷による社内改革は広く浸透し始めている。

 

:Azura速乾印刷TV「企業魂」で紹介

 :Azuraによる速乾印刷がTOKYO MXの番組「企業魂」で取り上げられた。速乾印刷の原理が詳しく説明されるとともに、導入ユーザーの声も紹介された。なお、同番組は「企業魂」ホームページからも視聴できる。http://kigyoudamashii.com/