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研友社印刷株式会社

「環境印刷宣言」を旗印に

住宅地の工場、高い意識で臨む

印刷新報 2014年7月31日号掲載 

 

 『環境印刷宣言』―このコンセプトは2009年に日本印刷産業連合会のグリーンプリンティング(GP)認定を取得した研友社印刷(新井修次社長、本社・工場/埼玉県和光市)が掲げる決意である。同社は、2005年にCTP化を実現して以降、クリオネマークGOLDプラスの取得など、急速に環境対応を進めてきた。この取組みのスタートは、日本アグフア・ゲバルト(松石浩行社長)のGP資機材認定製品でもある現像レスCTPプレートの導入に端を発する。そこで、新井社長に環境印刷に対する想いや現像レスCTPプレート「:Azura TS(アズーラ)」のメリット、今後の展開などを聞いた。

kenyusha_DSC06368.jpg 新井社長

 
   

 研友社印刷の設立は1968年。社会保険法規研究会(現/法研)の印刷部門として事業を開始した。法研は、健康、医療、介護、社会保障などの分野における広報誌などを発行しており、その他にも保険者や企業向け健康管理事業などを展開し、厚生労働省や健康保険組合などから質の高い情報提供で信頼を築いている。研友社印刷の仕事はこれらの団体や企業の定期刊行物がメインであり、現在では約8割を占めている。

 

環境保護印刷はアズーラが起点

 

 研友社印刷が環境保護印刷に取組み、2008年に環境保護印刷推進協議会(E3PA)の「クリオネマークGOLDプラス」、そして2009年に日本印刷産業連合会「GP認定制度」認証取得へと至ったのは、アグフア社の現像レスCTPプレート「アズーラ」を採用したことがきっかけだった。

 

 同社は過去、刷版部門はあったが製版部門は持たず、フィルム製版はすべて外注に出していた。その中、2005年にCTP化を実現するにあたり選択したのがアグフア社のソリューションであった。アズーラは2004年のドルッパで発表され、日本国内販売はその年末だったことを考えると最新の製品を求めるという決断の速さを窺い知ることができる。

 

新井社長は導入の決め手について「現像レスCTPシステムとPDFベースプリプレスワークフロのアポジーが魅力だった」と語る。PS版の時代には、版面のゴミや現像液が安定しないという不安定要素を抱えていたため、「内製化によるコスト削減はもちろん、トラブルの原因となる現像工程がなくなることが大きかった」という。ワークフローも、銀座にある営業本部と法研との間で校正した後にフィルムと責了紙を和光市の工場へ運ぶという方法から、現在は営業本部でデータ加工処理ならびにプルーフ校正出力を行い、RIP済み校正データを工場へ送ってCTP出力を行うというアポジーが得意とする2サイト運用を行い、効率化が図られている。

 そして、アズーラと四六全判サーマルCTP「Avalon N8(アバロンN8)」に導入に伴い打ち出した取組みが『環境印刷宣言』である。

   

 ◆社員が一丸となり

 

 研友社印刷の工場は住宅地に囲まれており、近隣住民に対する細やかな配慮がなされていた。このため、環境負荷軽減は社員共通のキーワードとなっていた。このため、GP認定制度へのチャレンジも非常にスムーズに進展し、活動を始めてから半年ほどで認定を取得した。

 

 「まず、GP認定を取得するための行動が環境保護になるということを社員に伝えるため指針を策定した」と話すのは綿貫茂常務取締役。すでに環境対応を意識していた現場ではあるが、改めて具体的な指示を工場内に表示するなど、基本を徹底することからスタートしている。しかし、社員一人ひとりが同じベクトルで行動することは困難なもの。どこかで歪みが生まれるものだが、新井社長は「ひとりも反対することなく全員が協力してくれた」と笑顔を見せる。卓越したリーダーシップあってこその結果である。

 

 “私たちは今、地球にやさしい印刷企業のあり方について真剣に考えています”という企業姿勢が明記された同社のパンフレットでは、クリオネマークを含め、地球環境優良工場としての想いがつまっている。一企業としてだけでなく、印刷業界全体でアピールしなければならない内容のものだ。

 新井社長は「厳しい経済環境が続いたことで、印刷物に対してコストメリットを求める風潮がある。しかし、GPマークをはじめ環境を配慮した印刷が出版や商印ともにビジネスにつながるよう広くPRを続けていく」と力強く語る。

 

 ◆速乾印刷で環境+α

 

 研友社印刷では、2012年にアグフア社が提唱する油性インキでの速乾印刷を実現し、従来の環境保護に加え、生産性や品質向上を達成した。新井社長は「水を絞ることで印刷が良くなるという話は理論的に合っているため賛同した。トップダウンですぐに取組みを決めた」と当時を振り返る。

 

 この決定は、GP認定時と同じく、社内で異論が出ることはなかった。しかし、速乾印刷のコンサルティングを受ける前にすべてのオペレーターを集め、「汚れたら水を多くすると教えられていた人間にとっては間逆のことが求められるため、今までの知識を捨て去るように説いた」(新井社長)と意識改革を求めたという。

 

 コンサルティング当日は、4台の印刷機を全て止めて全員で1台のメンテナンスに集中した。この印刷機は導入から十数年が経過していたが、オペレーター全員でローラー洗浄など速乾メンテを一日かけて行った結果、テスト刷りでは2分程度でベタ部分が乾いた。実際に触れたオペレーターからは驚きの声がもれたそうだ。新井社長は「議論から始めたら反対意見もあったと思う。事実を先に感じたことで必ずできると考えてくれた」と成功のポイントを分析している。アズーラ速乾印刷実践後には、過乳化の抑制で網点の再現性が高まり、今まで生じていた乾燥不良によるトラブルも一切なくなったという。

 

皆川貢工場長は「当社は工場周辺が住宅地であるため24時間稼働ができない。このため急ぎの仕事は協力会社に出していた。速乾印刷によって超短納期でも社内でこなせるようになった」と生産面での効果を挙げるとともに、「水を絞ることでファンナウトがなくなり、スプレーパウダーも半分近くまで減らすことができた。オペレーターにとっては良いこと尽くめ」と工場内の作業環境の改善も付け加える。

 

 さらに、「環境にやさしく、品質向上とコスト削減というメリットをもたらす速乾印刷はGP認定の取得にも役立つもの。アズーラは印刷会社の方向性を変える力を持っているといえる」と新井社長も環境面にさらなる効果を付与するアグフア社の提案に満足している。

 

 ◆品質を追求

 

 クリオネマークGOLDプラス、GP認定取得と環境保護印刷を進める研友社印刷。速乾印刷で新たな強みを手にした今、新井社長が求めるのは印刷レベルのさらなる向上である。

 

 「現在の印刷業界は平均的な品質では淘汰されてしまう。当社はアズーラを採用し、速乾印刷を実践することでレベルを上げてきたが、さらに技術を高めるべく、前に向かっていく会社でなければならない。そのためには、良いものは躊躇せずに取り入れていくことが重要」と新井社長。研友社印刷の進化は日々続いている。

 

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活躍する:Avalon N8

 

 

 

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