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株式会社共立アイコム

徹底した数値化で速乾印刷を実践

2014年1月6日付 日本印刷新聞掲載 

新春対談

株式会社共立アイコム 小林 武治 社長

日本アグフア・ゲバルト株式会社 松石 浩行 社長

 

 印刷業界において「業態変革」が提唱されそのためのセミナーなどが各地で盛んに開催されているが、成果を上げるのは難しいのが現状である。その中において(株)共立アイコム(本社・静岡県藤枝市、小林武治社長)は「全社員でチャレンジ 変わることに! 創造することに!」をスローガンに掲げ、様々な異業種に取り組み業態改革に向けて果敢に挑戦中である。その同社が「過去のどのような改善よりも、絶大な効果を上げ、企業改革となった」と評価し、印刷業に「ひとすじの光明」を見い出したと評価するのが日本アグフア・ゲバルト(株)(本社・東京都品川区、松石浩行社長)が提唱している「速乾印刷」である。

そこで今回は新春対談の第二弾として、速乾印刷の導入効果を徹底的な経営の数値管理化により具体的に計測し、「数値化された成果」として実感、高い目標に向かい着実に成果を上げている共立アイコムの小林社長と日本アグフア・ゲバルトの松石社長に、速乾印刷導入がもたらした効果と、共立アイコムが提供する“速乾印刷導入ユーザー”としての立場からの導入支援と、数字による経営管理のコンサルティングについて語ってもらった。

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小林社長

 

 

 

膨大なコスト削減

予想外の生産性アップ

 

 -- 共立アイコムは印刷会社でありながら、様々な幅広いビジネスに取り組み業態変革を積極的に進めていらっしゃいますが、これは企業風土なのですか?それとも、御社の経営理念なのでしょうか?

 小林 そうですね。これは当社の伝統というか、私の兄である先代の社長(現会長)の時代から熱心に行なっていました。会長自身が、様々な勉強会や異業種の交流会に参加することに積極的でした。更に社員に対する教育にも人一倍熱心でした。昔から京セラの稲盛元会長の勉強会に参加していて、とにかく印刷業界という狭い枠での考えを持っていなかった、というのは大きいのではないでしょうか?ですから、毎週行っている社内の勉強会には、できるだけ異業種から講師を招いて、他の業界あるいは会社では、皆どういうビジネス展開をして、どういう改善を日々行っているのかを話してもらい、それを題材に議論したりしています。先日はJTBの支店長に来てもらい、旅行業界の最近の変化や生き残り戦略について話をしてもらいましたし、当社にユニクロから転職してきた社員が居ましたので、ユニクロの企業戦略などの話をしてもらいました。

 私自身は家業を継ぐことなど全く考えていなかったのですが、大学卒業後勤めていた銀行から半強制的に、家業である共立アイコムに入社させられました。最初の2年間は、修行ということで、都内の知り合いの印刷会社へ営業として出されました。その間は修行だからと言うことで、殆ど無給状態でした。本当に厳しかったですが、それが今、とにかく何かをして変わって行かなければという原動力になっていると思います。しかし、業態変革としてはまだまだ“成功”したと言えないのが現状です。

 松石 最近でこそ印刷業界の業態変革などと叫ばれていますが、印刷業界は何十年と大きな変化も無く推移してきました。そんな印刷業界の中だけで物事を考えていると、ついつい現状の延長で経営を考えてしまい、変わりたいと思うだけで全く変っていないのが殆どです。ですが、共立アイコムさんの社員の皆様を見るととてもチームワークが良く、考え方が非常に前向きというか、とにかく、新しいことに取り組むチャレンジ精神に富んでいると、感じます。

 小林 ありがとうございます。満足してます、と胸を張れないのが残念ですが。しかし、もう十年以上も業態変革の必要性は言い方に工夫をこらしながら言い続けてきました。また、全ての経営指標は手渡さないまでも、全社員に公開してきました。また、当日の仕事量やその日までの変動費、売上との比率なども常にオーサライズし、それにともなって行動するように指導し続けています。現状をなるべく正確に把握することは、業界の現状を鑑みると、業態変革の必要性に導く一助になっているのかもしれません。

 松石 ですから、社員の皆さんの改革への意識が非常に高いのですね。

 小林 ありがとうございます。しかし、何をやっていいのか分からず、立ちすくんでいる状況は今も多く有ります。

 そのような中でも、確かに当社はコスト削減や生産性向上のために、今まで数多くの「現場改善」を実施し、それなりの効果も上げてきました。しかし、今回アグフアさんにご指導頂いた「速乾印刷技術」は、過去のどのような改善よりも絶大な効果がありました。アグフアさんが言われるように、改善ではなく、正に企業改革になっていると思います。

 -- その点を詳しくお聞かせ下さい。

 小林 当社では印刷機の設備として、オフ輪はB3サイズを3台、枚葉は菊全8色機×1台、菊全4色機×2台、菊全2色機×1台、菊四×2台を所有し、日々の生産性をしっかり管理してきました。印刷機のA能率・B能率と言われるものから、損紙やインキの使用量、時簡短縮効果など、全てオペレーター・機械毎に算出されるようになっており、印刷機ごとの収支・利益率まで、明確に管理されています。ここまで行なってきて、もうこれ以上大きなコスト削減や生産性の飛躍的な向上は、設備を更新しない限り出来ないだろうと、私を含め社員全員が思っていました。ところがアグフアさんの言われる「速乾印刷技術」を実践した結果、実に予想外の驚くようなコスト削減と生産性アップが実現したことに全員が、びっくりしています。

 今まで印刷現場で行なってきたのは印刷機毎の特徴を踏まえた個々の改善や、機械メーカーの薦める使い方といった、あくまでも小さな改善の積み重ねでした。これはこれでそれなりの成果を収めてきましたが、「速乾印刷」はこれまでとは全く違い本当に革新的、かつ未だかつて無い成果を出す事ができました。

 松石 それは、今までいわばミクロの改善の積み重ねであったものが、速乾印刷技術によりマクロ的な改革を引き起こした、ということですか?

 小林 はい。印刷機のオペレーターの技術や、枚葉かオフ輪かという種類や使用年数に関係なく、非常にシンプルな理論、つまり「印刷機の正しい管理をしっかり行い、アグフアのアズーラを使う」だけで、膨大なコスト削減と生産性の大幅アップになった訳ですから、これはもう改善というレベルを超えています。

   

無駄なくして利益得る

印刷機を正しくメンテ

 

 -- この速乾印刷技術の導入のきっかけは何だったのでしょうか?

 小林 最初はアグフアさんの電話セールスでした。その後現場の責任者クラスが速乾ユーザーの見学に行き、「是非とも速乾印刷を実行したい」という要望が上がってきました。私自身も「速乾印刷」に可能性を感じ、すぐに導入となりました。現場は言い出した以上、成功させなければならないプレッシャーがあった訳ですが、やり遂げました。やり遂げたことでモチベーションも非常に上がりました。

 松石 印刷現場の皆さんは、どうしても「不良を出さない」という守りの作業になりがちです。従って「昔からやっている方法」に固執する、保守的な人たちが多いのですが、実は本音のところでは、大胆な改革をし、会社の利益向上に貢献したい意欲を、皆さんお持ちなのですね。

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 松石社長

 小林 そうなんです。社員は例外なく、“生産性を上げて、無駄をなくし、もっと利益を出したい”、と考えているのです。しかし、片や無理にそれを推し進めて、「不良を出してしまった」では、大変なことになります。ですからどうしても“一歩”が踏み出せないでいるのです。

 ところが、速乾印刷は、全く違うアプローチでした。印刷機を正しくメンテンスする訳ですから、まず、機械が原因の不良品は激減します。そしてプレートを替えるだけで、「速乾印刷」が実現してしまう。「何だこれは?」という、本当に目からウロコが落ちた思いです。

 速乾印刷を確立してから両面印刷機の回転数が9,000回転から13,000回転近くにアップし、台数の多いジョブは著しい時間短縮を実現しました。ただし当初は現場がそれでも事故が起こる事を恐れ、なかなか回転数を上げられずにいました。そこで万が一事故となっても私が責任を取るというトップダウンで、回転数をアップさせました。その結果、新工場の設立以来、これほど現場が熱く燃えたことはないと言うほどのモチベーションアップとなりました。

   
 松石 ところで印刷会社ではオペレーター同士は、人間的には仲も良いし、通常のコミュニケーションは十分だけど、使用する印刷機の機種が違うと“生産性をどうしたらもっと上げられるか”、というような生産性改革的な話はお互いに殆どされないと聞きますが、共立アイコムさんでは如何ですか?

 小林 当社もオペレーター同士、普段から勉強会や野球やスポーツを常に一緒にやっていますから、コミュニケーションは抜群にとれているのですが、印刷機器の使い方等に関しては、会社と各自の努力の一対一の改善になってしまっていました。

 松石 ところが「速乾印刷技術」が、いわば、オペレーター全員の目標になった訳ですね。

 小林 その通りです。速乾印刷は、彼らが、今、どの印刷機を使っているかという事は、全く関係無いのです。

 速乾印刷は、損紙、インキ、パウダーを削減する事ができ、断裁・折などの後工程の処理も迅速に出来る等、素晴らしい点が満載です。

 しかも、経営者にとってみれば、「印刷機のメンテナンスをしっかりやって、CTPプレートを替える」だけです。つまり、何の投資も必要無く、現状資産をもっと大事に管理して生産性を上げると言うのですから、会社にとって、本当に有難い話です。

 当社では速乾印刷の確立後、“損紙、インキ、パウダーをこれだけ削減する、これだけ時間短縮をする、清掃時間を削減する”という「コスト削減計画」を掲げていますが、これは現場が数値目標を立て、ボトムアップで始めたものです。現在の達成率は50%ですが、オペレーター達が担当の印刷機の枠を乗り越えて、実に風通し良く、どうやったらもっと目標を達成できるかを積極的に話し合っています。

 機械のメンテナンスも誰に言われることなく自発的に実施しています。これは、現場オペレーターがしっかりとメンテンスをすれば自分にメリットがあるということを十分認識しており、手抜きをすれば印刷結果に端的に現れてくるということが分かっているからです。

 松石 私どもも、小林社長のように多くの皆さんに「速乾印刷技術」の素晴らしさを体感して頂きたいと思っていますが、まだまだ信用して頂けないと言うか、「油性インキで速乾印刷など、大変な冒険でリスクが大き過ぎる」と思われているお客様が多くて困っています。

 小林 無理もないと思います。私も、最初は「速乾印刷技術」については、半信半疑でしたからね。

 印刷会社の多くは、「現状分析はできているが、どうしていいか分からない状態で立ちすくんでいる」中、「油性インキによる速乾印刷」なんて、そんな美味しい話が本当にあるのか?とも思っているでしょうね。

 

 

 松石 そこで、「速乾印刷にチャレンジしたいが、現場で立ち上げる自信が持てない」というお客様へ、実際に速乾印刷を立ち上げた共立アイコムの印刷現場の皆さんの「体験的ノウハウ」として直接伝授して頂きたい思い、この度共立アイコムさんに速乾印刷立ち上げの提携をお願いしました。ありがとうございます。

 小林 どこまでお役に立てるか分かりませんが、当社でお役に立てることでしたら、積極的にご協力させていただきます。確かにアグフアさんからコンサルを受けても、会社によっては途中でくじけてしまったり、元に戻ってしまう場合があるかも知れません。そういう気持ちになることも理解できます。しかし、折れそうになった時に、我々のような同じ印刷現場の同じような立場の者が、アドバイスしたり、場合によっては、お伺いして相談に乗ることでスムーズに立ち上がる事もあると思います。そしてそれは当社にとっても大いに勉強になると思います。

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共立アイコム工場概観

   

「経営とは数字である」

確実に成果の出る速乾印刷技術

 

 -- ところで、小林社長は「印刷には興味が無い」、とよく公言されていますが、共立アイコムは、印刷会社でありながら、様々な異業種の企業とコラボレーションをされていることと関係のあるご発言なのでしょうか?

 小林 印刷に興味が無いのではなく、色を中心とした仕上がり品質ばかりを気にする現状が嫌なのです。

“綺麗な印刷物を作る事”が目的なのではなく、“印刷物を必要とする本来の目的は何か”を明確にした時、印刷の仕上がりではないもっと大切なことがあると思います。印刷会社が“印刷物を扱うことは情報を扱うこと”と認識すれば、印刷物を作るためには何が大切かが見えてくるのではないでしょうか。印刷会社はお客様が製品を売るためのお手伝いとして印刷物を作っているのですから、まずは製品を売る側になり、どうすれば売れるのかを考えてみよう、ということから当社ではお酒やお米、さらには、紅茶の製造・販売も始めました。IT 、ITと言いますが、私は印刷が最も歴史と実績のある「IT=情報技術」産業であると思います。共立アイコムは印刷から離れるのではなく、印刷業の本来の姿である「情報価値想像業」を目指しているのです。

 -- 場合によっては、印刷物の無いような企画も出てくるのでしょうか?

 小林 地域と密着しながら新しいイベント、または面白い製品・生産物を作られている皆さんとコラボしながら、どのようにしたらビジネスとなるかを考えています。先ほどの紅茶はベルギーのモンドセレクションの銀賞を受賞し、都内の高級品を扱うお店でも販売されるに至りました。これは一例ですが、このような企画が結果として街起こし、企業起こしとなって、最後は印刷物なども生まれれば良いと思って、走り回っています。色々やり過ぎて、全てが黒字になっている訳ではないのですが、新しいビジネスを生み出しているのは、確かですし、会社にも活気が出てきますね。

 松石 常にアイデアを生み、あらゆる方向でビジネス展開されるというのは、なかなか出来ないことだと思います。

 小林 これも会長の作った、印刷業に固執しない、異業種の企業からも積極的に学ぼうとした社風のお陰だと思います。

 松石 さらに貴社の印刷会社としての経営の数値化は非常に進んでいると思います。印刷会社の中で早くからこのような数値管理的な経営を立ち上げているところは大手と言われる印刷会社でも少ないのではないでしょうか?

 小林 「経営は数字だ」というのは、当社の経営の基本哲学です。会長も私も経営の数字については、常に厳密に見ています。ですから今回の速乾印刷技術も、その実施後すぐに数字で、その成果が把握できた訳です。

 松石 確かに、今まで何か改善策を施しても「結局、成果が出たのか出なかったのか分からない」ということでまた元に戻ってしまったというようなケースも聞きます。速乾印刷技術は確実に成果がでるのですがから、そこを皆さんに是非とも分かっていただきたいのです。 

 小林 改善や改革を行ったら、その前後で「どのくらい改善されたのかを、数字で具体的に測定」しなければ、その効果は半減してしまいますし、最悪元に戻ってしまうのです。それでは社員のモチベーションも下がります。経営の数値管理は、絶対に必要です。速乾印刷も、効果を数字できっちり出せば、誰も止めようなんてことは思わないでしょう。

 松石 決算書や貸借対照表はあるけれど、印刷機械一台ごとの生産性や収支の管理が出来ている会社は殆ど在りません。アグフアでは、印刷機の徹底した数値管理の方法をお客様にお教えし、「速乾印刷技術」を立ち上げるコンサルティングを行っていますが、当社と共立アイコムさんが共同で、コンサルティングをすれば、お客様は共立アイコムさんから、数字による経営管理の手法までも学ぶことも出来る訳ですね。

 小林 印刷機と経営の数値管理を行なっていただくことで、速乾印刷の確立がよりスムーズになると思います。微力ながら当社がそのお手伝いをできればと思います。

   
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