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望月印刷株式会社

アズーラ速乾印刷」実践

パウダー量半減、裏移り事故ゼロに

納期短縮は品質を上げるための「ゆとり」

印刷ジャーナル 2014年7月25日号掲載 

 

 グッドスマイルメディアを目指して」−−望月印刷(株)(さいたま市中央区円阿弥5−8−36、望月諭社長)は今年5月、日本アグフア・ゲバルト(株)(松石浩行社長)が提唱する現像レスプレート「アズーラ」の浅くて細かな砂目構造を活かした「速乾印刷」に着手し、多彩な効果を弾き出している。「品質、コスト、納期、さらに環境対応を実現するこの取り組み。拒む理由は見つからない」と語る望月社長。「価格競争からの脱却」を標榜し、付加価値創造企業を目指す同社の「アズーラ速乾印刷」を取材した。

mochizuki_P1100249.jpg 望月社長

 

 同社の創業は昭和25年。望月社長の祖父で、旧国鉄に勤めていた望月憲氏がその退職金を元手に立ち上げた「博文印刷所」が同社の源流である。

 埼玉県大宮市で産声をあげた同社は、当時から「官公庁に強い望月印刷」として知られ、その事業が全体の半分を占めた時期もあったという。さらに事業拡大への道筋を決定づけたのが、教育系出版社との取引開始だった。この出会いを転機に事業領域を拡張しながら大きな成長を遂げた同社は、タウン誌の企画・発行をはじめ、同窓会名簿を中心とした名簿出版事業、さらにその事業をきっかけとした学校関係との取引を伸ばし、印刷ビジネスにおける守備範囲を拡大。9割以上が地元からの仕事であるという典型的な「地域密着型」のビジネスモデルを構築している。

 

 弱冠29歳という若さでエネルギッシュに同社の舵を取る望月社長は、「御社の強みは?」という問に対し、「地元での知名度・信頼度」と即答する。最近では、フルフィルメントにも力を入れ、ワンストップサービスの実践でさらなる信頼獲得に乗り出している。一方、4年前からは、「値決めできる商品開発」をテーマに、県立羽生実業高校との産学連携で共同開発したエコ祝儀袋「彩祝(さいわい)」や、パートナー企業との連携によってPETボトルを再生した「エコマグカップ」を商品化。さらにヤフーショッピングによるEC事業にも着手し、BtoCを視野に入れた事業開発にも乗り出している。 

 そんな同社が「アズーラ速乾印刷」に着目したのは、同社も加盟する「EPC−JAPAN」での活動がきっかけだ。「EPC−JAPAN」とは、全国16社の中堅印刷会社で構成する事業協同組合で、昨年11月、その1社である秀巧社印刷(株)(福岡市南区、間直樹社長)で開かれた「アズーラ速乾印刷内覧会」に望月社長が参加したことにはじまる。

 「この取り組みで私が最初に着目したのは『納期』。しかし、『納期は品質を上げるためのゆとり』と捉えることもできる」と望月社長。早速、現場サイドに情報収集を指示するも、わずかな導入コストに対する効果からして、望月社長の心境は決まっていたようだ。

   

 12月1日から新年度となる同社では、経営ビジョンや方針が記された社員総会資料が期初に配付される。今年度、そこに掲げられたテーマは、「もう一歩の開拓」「もう一歩の開発」「もう一歩の安全・安心・安定」「もう一歩の仕組み」「もう一歩の改善」であった。「アズーラ速乾印刷」に関して、情報収集の指示を受けた製造部の河本得行部長は、この中の「もう一歩の開発」に合致する取り組みだとして「アズーラ速乾印刷」実践の決意を固めたという。再度、費用対効果を算出して望月社長に提案。結果、繁忙期を避ける形で4月にキックオフ。ゴールデンウィークにクリーニングユニットを入れ替え、連休明けからすべての版をアズーラTSに切り替えた。

 

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河本部長

 アズーラ自体の「検版性」を高く評価する河本部長。速乾印刷への取り組みにおいては、印刷機メンテの方法や概念を社内で改めて整備できたことに対するメリットを強調する。

 「印刷機のメンテは従来、機長に一任されており、その方法もいままでの経験の積み重ねがそのまま受け継がれている。それが本当に正しいのか?今回、外部から指導してもらうことで、その不透明な部分が解消されたことは大きい」(河本部長)

 印刷機をリセットし、現像レスプレート「アズーラ」のフラットサブストレートと呼ばれる、浅くて細かな砂目構造を活かして水を絞ることで実現できる速乾印刷。その効果は望月印刷でも明らかだ。

 パウダー量が半減したことに加え、明確に数値化できてはいないが、インキ使用量も明らかに減少。さらに年間を通じて突発的に発生していた裏移りによる事故が皆無になっている。ただ、5月は同社にとって3月に次ぐ繁忙期とあって、スタート時は印刷機5台のうち、リセット作業できたのは1台のみ。先頃、あと2台のリセット作業を終え、残る2台を夏中に終える計画だ。しかも最後の2台は、指導を受けたオペレータ主導で行うという。

 同社においても多品種・小ロット化の流れは顕著だ。「速乾印刷によって、数をこなせる現場」を目指す一方、「納期短縮への過度な期待はリスクを招く」と望月社長は警鐘を鳴らす。

 「『アズーラ速乾印刷』で、納期を半分にできるかもしれない。しかしそうなったとしてもカツカツの納期で現場を苦しめると事故を引き起こすことも考えられる。準備時間短縮など、効率化によって見えないコストをカットする、もしくは安定した品質を維持することが最優先である」(望月社長)

 一方、営業部の井澤博部長は、「現像レスプレートにおける環境面でのメリットを販促に活かしたい」と話す。同社は今回の取り組みによってクリオネマーク「ゴールドプラス」を取得。クライアントには、環境への取り組みを明確に表現できる「証」としてアピールしていく考えだ。

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GW明けから全ての版を:Azura TSに

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5台の印刷機が並ぶ工場

 また、クライアントからは品質について「シャープになり、発色も良くなった」という評価を得ており、その変わり様はリピート物で困るほど。「嬉しい誤算だが、きっちりとアナウンスして品質向上をアピールしていきたい」(井澤部長)

2012年11月、「さいたま市CSRチャレンジ企業」にも認定され、積極的なCSR活動でも知られる同社では、「アズーラ速乾印刷」による環境対応も大きな財産となる。「品質、コスト、納期、さらに環境対応を実現するこの取り組み。拒む理由は見つからない」という望月社長。「価格競争からの脱却」を標榜し、企画力、デザイン力に加え、中小企業のCSR取り組み支援などを通じて、地域経済の発展を推進する同社は、「相談される印刷会社」として、その企業価値を高めていく考えだ。その製造工程を支える取り組みとして「アズーラ速乾印刷」に全社から大きな期待が寄せられている。 

印刷機をリセットし、現像レスプレート「アズーラ」のフラットサブストレートと呼ばれる、浅くて細かな砂目構造を活かして水を絞ることで実現できる速乾印刷。その効果は望月印刷でも明らかだ。

 パウダー量が半減したことに加え、明確に数値化できてはいないが、インキ使用量も明らかに減少。さらに年間を通じて突発的に発生していた裏移りによる事故が皆無になっている。ただ、5月は同社にとって3月に次ぐ繁忙期とあって、スタート時は印刷機5台のうち、リセット作業できたのは1台のみ。先頃、あと2台のリセット作業を終え、残る2台を夏中に終える計画だ。しかも最後の2台は、指導を受けたオペレータ主導で行うという。

 同社においても多品種・小ロット化の流れは顕著だ。「速乾印刷によって、数をこなせる現場」を目指す一方、「納期短縮への過度な期待はリスクを招く」と望月社長は警鐘を鳴らす。

 「『アズーラ速乾印刷』で、納期を半分にできるかもしれない。しかしそうなったとしてもカツカツの納期で現場を苦しめると事故を引き起こすことも考えられる。準備時間短縮など、効率化によって見えないコストをカットする、もしくは安定した品質を維持することが最優先である」(望月社長)

 一方、営業部の井澤博部長は、「現像レスプレートにおける環境面でのメリットを販促に活かしたい」と話す。同社は今回の取り組みによってクリオネマーク「ゴールドプラス」を取得。クライアントには、環境への取り組みを明確に表現できる「証」としてアピールしていく考えだ。

 また、クライアントからは品質について「シャープになり、発色も良くなった」という評価を得ており、その変わり様はリピート物で困るほど。「嬉しい誤算だが、きっちりとアナウンスして品質向上をアピールしていきたい」(井澤部長)

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井澤部長

2012年11月、「さいたま市CSRチャレンジ企業」にも認定され、積極的なCSR活動でも知られる同社では、「アズーラ速乾印刷」による環境対応も大きな財産となる。「品質、コスト、納期、さらに環境対応を実現するこの取り組み。拒む理由は見つからない」という望月社長。「価格競争からの脱却」を標榜し、企画力、デザイン力に加え、中小企業のCSR取り組み支援などを通じて、地域経済の発展を推進する同社は、「相談される印刷会社」として、その企業価値を高めていく考えだ。その製造工程を支える取り組みとして「アズーラ速乾印刷」に全社から大きな期待が寄せられている。

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