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株式会社長野日報社

アグフア現像レスプレートシステム

:Azura TSを導入した長野日報社の新たな挑戦と戦略

2012年10月 アグフア取材

 

 長野日報社は今年で創立111周年を迎える老舗の新聞社です。現在は『長野日報』の題字で長野県の南部を発行エリアとして、天竜川流域の9市町村と諏訪湖周辺6市町村に合計で58,000部を発行しています。元々自然が豊かな長野県という土地柄もあり、行政や地元の大手銀行や企業などを始めとして昔から環境配慮に取り組む企業が多数ありました。その中にあって長野日報社が新聞社としては他社に先駆けて取り組み導入したのが、アグフアの現像レスCTPプレート:Azura です。環境配慮型工場の竣工と共に導入した:Azuraの導入理由、導入効果や今後の取り組みに関して常務取締役 印刷センター長 守屋 正二氏とシステム管理室長の宮沢 豪氏にお話を伺いました。

長野日報本社ビルと印刷センター

 長野日報本社ビルと印刷センター

 
   

■ 環境対応に向けた様々な取り組みを常に他社に先駆けて実践


 長野日報社では“ダイオキシン”が社会的問題として取り上げられるに従い、 “この問題を報道する側として何もしなくて良いのか?”という思いが強まり、1999年には同社が発起人となり、当時としては画期的な住民→行政→製紙メーカー→新聞社の4者間における古紙の完全循環型リサイクルネットワークシステムを構築しました。そして現在では100%古紙を使用した印刷を行なっています。更に2000年には新聞社としては世界初、印刷業としても世界で2番目となるISO14001を取得しました。
 このように環境への取り組みに非常に熱心な長野日報社は更なる環境対応を目指し、4年の歳月をかけ“作業性を重視した環境配慮型工場”を基本コンセプトに掲げた未来志向の印刷センターとして、「長野日報印刷センター」を新たに建設し、2009年3月10日より稼動を開始しました。同センターの稼動にあたり長野日報社では4半世紀にわたり使用してきた旧型輪転機及び製版機器を廃棄、すべて環境配慮型となる製版・印刷・搬送機器へと刷新しました。

 製版室にコンパクトに並ぶ2台のCTP

 製版室にコンパクトに並ぶ2台のCTP

 

 

 ■ 新聞社として初めて現像レスプレートと4×1輪転機を採用


 3月10日より稼動を開始した印刷センターは、鉄骨一部2階建て、延べ床面積733㎡。諏訪市高島三の本社隣接地に建設されました。低騒音・低振動で地域住民への影響を最小にし、導入された印刷機・製版機・搬送機等の設備はすべて、環境配慮を最重点課題として選定され、最終的に日本アグフア・ゲバルト株式会社の現像レスプレート「:Azura TS(アズーラ TS)」と、西研グラフィックス株式会社の「西研65型オフセット輪転機」を国内の新聞業界としては初めて導入しました。

 

 CTP導入に当たり機種選定の中心となったシステム管理室長の宮沢 豪氏は「新しく印刷センターを建てるにあたりCTPの設置は必須でした。その中でもできれば環境に配慮した現像レスのプレートを使用できればという思いはありましたが、当時新聞社では現像レスプレートの使用実績はなく、正直まだ時期尚早との気持ちもありました。しかし、現像タイプの複数メーカーとの比較検討の結果、「環境に配慮している」、「現像レスでも検版ができる」という点、商業印刷での実績も評価し、:Azura TSの採用を決定しました。


 また、当時まだまだ高価であった新聞専用のCTPに比べAGFAの四六半裁サーマルCTP「:Acento II S(アセント ツゥーエス)」のシステム価格も魅力でした。同時に導入した西研65型オフセット輪転機は4ページ幅1ページ1周の4×1機でプレートの使用量を半分に抑える事ができる先進的な4×1輪転機で、非常にコンパクトな設計となっています。現像機を使用しない:Azura TSと共に省スペース化が図れています。」と語っています。

 

 同印刷センターは新聞社としては珍しい給紙機や印刷機、製版・発送設備などを全て見渡す事ができる「同一フロア方式」を展開できたことから、以前は6名で作業していた印刷工程を4名で行なえ効率良く作業が進められ、トラブルを早期発見できる工場ともなっています。

 国内導入1号機となった西研65型オフセット輪転機

国内導入1号機となった西研65型オフセット輪転機

 

 アセントII S

アセントII S

   

■ 印刷センターの稼動と同時にスムーズな立ち上がり


 印刷センターの稼動に当たり製版設備と印刷機を同時に刷新、従来とは全く異なる設備・機械を導入した長野日報社ですが、アナログからデジタルへの移行、CTPと現像レスプレートの:Azura TSについて「当初、多少何か問題があるかと心配しましたが、全く問題はありませんでした」と宮沢氏、さらに同社の常務取締役 印刷センター長である守屋 正二氏も「作業も従来アナログの作業をしていた担当者が引き続き担当していますが、順調に立ち上がりました。印刷でもアナログ版と異なる問題が起きるかと思いましたが、全く違和感がなく拍子抜けしました」とそれぞれ高い評価をされており、「導入に際しては勿論テスト印刷もしましたので、3月10日の印刷センター稼動時から問題なく立ち上がっており、その意味では移行期間はあってないようなものだった」
と守屋氏が笑って話されるほどで、ここに同社の“新しくて良い物には積極的に取り組もう”という企業精神の成果が出ているようです。

 :Azura TSに出力された紙面

 :Azura TSに出力された紙面

   

 現像レスのシステムという事に関しては「現像液を使用しないので、とにかくメンテナンスが非常に楽になった。現像液があるとどうしても現像液の汚れが機器や周りの設備に付いてしまうが、現像レスプレートはそのような事もなく、労力が全く違います。そして現像処理によるブレがないため、ドットゲインの変動もない所を評価しています。」と守屋氏。

 

■ スブリマでより鮮明な写真を再現


 さらに同社では導入当初に目標としていたアグフアの高精細スクリーニング:Sublima(スブリマ)にも予定通り取り組んでいます。守屋氏は「:Azura TS導入当時はAM120線での印刷でしたが、他の新聞社がFMスクリーニングに取り組みだした頃でもあり、高精細に興味はありました。FMは難しいという印象がありましたが、:Sublimaは普通に印刷することができました。そして“良いものなら使ってみよう”との思いからテストを経て、2010年にスタートし、現在では:Sublimaの170線を用いて通常に印刷しています。より鮮明な写真の再現が可能となり読者の方やクライアントの方から「紙面が綺麗になった」というお声を頂いたり、他紙の方からも「スクリーニングは何を使用しているのか?」という問い合わせもありました。」と語っています。さらに「全く同じ紙面を印刷する事はないので、数値としては出せないがインキ削減によるコスト削減効果も出ています。」とも続けています。

また、「時間が命!」ともいえる新聞社ですが、その点においても「アグフアのサポート体制、対応の早さには感謝しています」と宮沢氏。

 常務取締役 印刷センター長 守屋正二様(左)、 システム管理室長 宮沢 豪様

 常務取締役 印刷センター長 守屋正二様(左)、

システム管理室長 宮沢 豪様

■ 教材となるような新聞へ


  • 最後に長野日報社は今後の取り組みとして2012年8月に正式に立ち上げた「印刷品質管理委員会」による3項目の目標を挙げています。
     濃度計管理による印刷の標準化
     モニタープルーフの構築と本紙とのカラーマネージメント
     カラープロファイルの精度向上による写真品質の向上

  • 現像レスプレート:Azura TS、そして4×1の輪転機導入により環境に対する機器の設備が整った同社は環境配慮型未来志向の印刷センターの最終ステージへと踏み出すために運用面の整備をスタートさせました。
    そして少子高齢化の時代、今後新聞の発行部数の増加は望めませんがその分「紙媒体」を読者に届ける新聞社の使命として「地域密着型の細かい記事を分かり易く、美しく正確にビジュアルで伝えるようにし、“教材”として使ってもらえるような新聞にしていきたい。」と、守屋氏は今後の展望を語っています。