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新津印刷株式会社

現像不要で作業ロスを排除

水が絞れるアズーラで薄紙印刷に強み

印刷新報 2015年2月26日号掲載 

 

薄紙印刷を強みとし、商業印刷から出版印刷、デジタルメディアへの展開など幅広い領域で顧客の信頼を得ている新津印刷(新津賢也社長、本社・東京都新宿区)は、環境対応を推し進めるべく日本アグフア・ゲバルト(松石浩行社長)の現像レスCTPプレート「アズーラ TS」、四六全判サーマルCTPセッター「アバロン N8」を2013年に導入。環境負荷軽減の実現、現像レスの品質安定とともに清掃作業にかかる手間や時間、資材等のロスを削減することに成功した。また、昨年にはアズーラでの速乾印刷と標準化に油性機・UV機共取組み、さらなる品質向上とコスト削減を目指している。

Niitsu_niitsu.jpg 新津社長

 
   

◆ 採用条件は現像レス

 新津印刷は1963年に新宿区西早稲田で事務用伝票・帳票類の印刷を生業として創業。同社の強みとなった薄紙印刷のスタートである。

当時は活版印刷機が1台で従業員は5名ほどの所帯であった。仕事が順調に推移する中、1973年に現在の戸塚町に移転し、1991年には文京区関口に関口工場を新設、製本部門も開設し印刷から製本、発送までの一貫生産体制を構築するに至った。

そのような同社がCTP化を実現したのは2005年。顧客の短納期ニーズへ対応するためであった。

そして2013年10月、既存設備の更新としてアグフア社の現像レスCTPプレート「アズーラ TS」ならびに四六全判サーマルCTPセッター「アバロン N8」を導入。環境対応はもちろん、現像工程で生じる不安定要素の解消や自動現像機の清掃の手間を省くことが目的であった。

 新津社長は「CTPを更新するにあたり、現像レスを条件とした。設置スペースの問題もあったが、清掃によって機械が止まるというロスをなくしたかった」と話す。選定にあたっては実際に扱う現場の意見を尊重。最終的な判断はCTP部門の総意として下された。

 導入後には「ガム液による洗浄だけのため品質が安定し清掃の負担がなくなった。今までは業者に年2回本格的な清掃を依頼していたが、すべて自分でできるようになった」と制作部CTP出力担当の西松氏も納得の評価。さらに、刷版の目視検版のしやすさもさることながら、現像液の劣化などに惑わされずに刷版出力ができるため、リピートの仕事でも「前回と同じと断言できる」(西松氏)ようになったという。

 新津社長は「印刷産業は文化的だとしながら産業廃棄物を出していることに矛盾を感じていた。その意味で現像レスの意味は大きい」と社会的な側面からも高く支持している

 

◆ UV+油性の速乾

 新津印刷では、2010年にLED―UV搭載のA全判4色機を導入した。 「薄紙の場合、LED―UVであれば熱をもたないため用紙がカールせず、裏付きも解消する。工場内の限られた設置スペースも考慮した結果、薄紙にUV印刷を行うには最適だと判断した」と新津社長。後加工でのキズや汚れに注意する仕事はLED―UVを指定する顧客が多く、導入の効果が確実に表れているという。

 その中、アグフア社が提唱する油性の速乾印刷技法に着目したのは昨年の夏。「油性印刷でも速乾を実現できればLED―UVと合わせメリットは大きい」(新津社長)との判断による。

Niitsu_N8.jpg 活躍するアバロンN8

  しかし、印刷のオペレータにとっては少なからず抵抗があったことは確か。このため、新津社長はアグフア社が開催したセミナーや速乾印刷を実践している印刷会社の見学に、オペレータを積極的に参加させた。「現場は職人の世界であるため、速乾印刷に取り組むには新たな価値観を持たなければならない。社内にいることの多いオペレータにとって外の世界を知ることは必要」という理由である。

 速乾印刷を深く理解したことで社内のベクトルも油性の速乾という目的に向き、現在では枚葉機2台で速乾印刷を展開。さらに印刷機の標準化という観点からUV機でも速乾の技術を応用している。「軌道にのってきた」と新津社長も手応えを感じている。

 印刷機のメンテナンスは毎週月曜日の朝に1時間、月に一度は全台を停止させローラー洗浄や調整等を行っている。すでにオペレータにとって習慣化しており、印刷機の扱いも丁寧になったとのこと。単純に乾燥が早いだけでなく、刷り直しによるロスがなくなり、印刷機を安定させるという部分でも大きく寄与、メーカーへの修理依頼も減少しているという。

 また、速乾印刷に取り組んで半年が過ぎ、新津社長はパウダー使用量の削減をメリットとして挙げている。実績として以前に比べ半減したことが数字上に如実に表れ、工場内の作業環境改善という効果も合わさった評価だ。

 また、「網点の再現性が向上し、全体的に品質が高まっている。水が絞れるアズーラは水幅の狭いUV手法での薄紙印刷に最適。より高品位な印刷作業が安定して可能となり当社の強みがさらに増す」と新津社長は納得の表情を見せる。

 

◆ 生産体制強化で提案力を磨く

 新津印刷ではCTPと並行してプリプレスワークフロー「アポジープリプレス」を採用。とくに面付け機能は「使いやすい」と現場にも好評で、生産体制全体の効率化を達成した。

 そして、今後のポイントは、LED―UVと油性との相乗効果による利益体質の構築である。

 「UVは後工程における安全性の高さが価値。油性でも同様に展開できるようになった今、それぞれに適した仕事をしっかりと見極め、最も効果的な使い分けを目指していく」と新津社長。

油性の速乾印刷とUVで広がるビジネスに期待が高まる。

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