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株式会社東洋特殊印刷

アズーラ速乾印刷でタイトな納期に対応

厚紙の板取り作業も効率化

プリテックステージニュース 2014年9月25日号掲載 

 

株式会社東洋特殊印刷(真壁健社長、福島県郡山市)は水が絞れる現像レスプレート「:Azura TS」で、厚物、薄物の速乾印刷に取り組み、タイトな納期要求に応える体制を構築した。同社の真壁健社長は「短納期要求が厳しく、UV印刷機の導入を検討していたところだったので非常に良いタイミングだった」と振り返り、既存の設備による速乾印刷の実現について「油性印刷による速乾が最大のコストメリット。経営的に100対0ぐらいコストが違う」と評価している。

toyotokusyuDSC_1108.jpg 速乾印刷に取り組む芳賀工場長(左)と石井機長

 
   

同社は1970年にシール印刷会社として創業。その後、印刷需要の増加に伴いオフセット印刷による商業印刷に乗り出した。オフセット印刷機は現在、ハイデルベルグのスピードマスターXL105 4色機をはじめ、KOMORI菊全5色機、菊半4色機の3台体制。7年前に新工場を竣工し、高性能の機械への集約化と厚紙印刷の生産強化を図った。アグフアとの取り引きは銀塩CTPを導入して以来、10年を経過。2011年に環境対応と廃液処理コストの削減を図り、アズーラを導入した。
 同社の商圏は東北地域中心で、クライアントのほとんどが流通業などの大手企業。品質への要求が厳しく、新工場建設も変動要因の最小化による品質の安定が大きな目的だった。同社の真壁社長は「工場建設当時、コストが価格に転嫁できないと判断してUV印刷機の導入を見送った経緯がある。しかし、お客様の短納期への要求は一層厳しくなり、UV印刷機の話が再浮上していた」と油性印刷の限界を感じていた。納期は数年前の半分。企画、デザインが決まった段階で納品までの時間はほとんどなかった。

 

UV印刷機の導入に傾きかけていたタイミングでアグフアから提案されたのが、すでに速乾印刷を実現している東京・平河工業社の見学会だった。真壁社長は当初、「本当に既設機でできるのか」と半信半疑だったが、芳賀修平工場長ら4人で参加した内覧会で「話を聞くと環境を変えるだけで実現できる。アグフアの松石社長からも、〝バックアップするから震災の大きい福島県でぜひ始めるべき〟と言って頂いた」と、速乾印刷に取り組む決意を固めた。芳賀工場長も見学会で「1時間以内に圧をかけたら裏移りすると直感した重い絵柄を印刷後にすぐに断裁しても全く問題がなかった」と自社に速乾印刷を取り込む挑戦意欲がわいた。
 速乾印刷は印刷機のメンテナンスが大きなポイントで、とくにインキ・給水ローラーは最適な状態を保つことが要求される。同社ではかつて機上の自動洗浄のみであったため、週末に徹底的なメンテナンス作業を入れることに、現場には当初戸惑いがあった。「抵抗感は仕方がないこと。結果がついてくるのでオペレータの意識は変わった。やらなければ悪い結果が出る」(芳賀工場長)と効果が上がるにつれて、メンテナンス作業の負担は薄れていった。

 

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CTP担当の蛭田氏とアグフアのアバロン

現在は絵柄が重ければ乾燥に2日程度かかっていた合成紙が1日で乾く。裏移りを恐れて1枚ごとに合紙を挟んで断裁していたこともあったが、今は通常のコート紙であれば印刷後、10分で断裁できる絵柄もある。また、400gsmの厚紙の場合、約150枚ごとに施していた板取りが250枚までに増えた。
 生産性はおよそ2割アップ。水のバランスが安定したことで、オペレータは汚れを恐れずに機械の回転速度を約3割上げた。安全を図って余分に乾燥時間をかけていた絵柄でも、待たずに裏返して印刷できるようにもなっている。乾燥不足による事故や汚れは激減。ドライダウンも少なく、品質の安定にも寄与している。
 インキの使用量は1割~1.5割削減。ヤレ紙は半分になった。「水を絞ることで紙面のインキ被膜が薄くなり、インキ量が減った。とくにイエローで減っている。無駄な紙も減った。金、銀のベタの場合、インキのメモリを50~70に上げないと発色が悪かったが、速乾印刷取り組み後では20に抑えられた上に、発色も良くなる」(芳賀工場長)という効果も出ている。
 速乾印刷に取り組んだ事でメンテナンスが行き届き、ローラーの持ちは倍になった。劣化が早いC、Mのローラーでも1年以上持っている。真壁社長は「機械のメンテナンスに対する意識改革が大きくなり、さらに印刷トラブルがかなり減った」と現場の力を再確認。芳賀工場長はそれに応えるように「今後の課題は今以上に色調を早く出すこと、そしてヤレ紙30枚を目標にしたい」と現場の挑戦意欲を掻き立てている。

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