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株式会社ワコープラネット

印刷新報 2008 年3月17日号掲載

 株式会社ワコープラネット(岡田幹夫社長)は2007年5月、同社板橋事業部(東京都板橋区向原)にアグフア社のケミカルレス対応サーマルCTP「:Avalon LF(アバロンLF)」ならびにケミカルレスサーマルCTPプレート「:Azura(アズーラ)」を導入し、環境保護印刷への本格的取り組みをスタートさせた。
 ワコープラネットは株式会社ワコーのグループ会社として1997年に設立。学参物を中心にテキスト、取扱説明書、一般書籍など、頁物の組版から印刷・製本まで一貫生産体制を構築している。

関根事業部長  
   関根事業部長

◆ 変化する顧客ニーズ

 

 墨+特色の2色/2色に特化し、顧客の多様化するニーズに応えていたワコープラネットは近年、既存設備での限界を感じ始めていた。
 関根勤取締役板橋事業部長のもとで現場を任されている安田富美夫課長は「少子化や、在庫レスといった環境変化の影響でロットが少なくなっている。また、コスト削減とクオリティが同時に求められている。テキストやマニュアル関係といった内容の変化が少ないものでも、ビジュアル面で見やすく、読みやすい書籍を提供する事で、新たな市場を掘り起こしたいとの考えがお客様のなかに広まっている」と明かす。
 また、同社では、平均2,000~5,000部の仕事が中心ということだが、100部単位の仕事も珍しくない。その際、「オンデマンド印刷で対応することもある」(安田課長)と顧客ニーズの変化を口にする。

 

◆ :Azuraの導入

 

 このような同社がケミカルレスサーマルCTP「アバロンLF」を導入したのは2007年の5月。既存のCTPセッターの代替交換時期だった事と、当時活用していたアナログ製版機の老朽化が導入のキッカケだった。
 安田課長は「特に、アナログ製版機はメーカーでの製造も終了しており、消耗品の在庫も無くなる状況にあった。そこで新たなCTP導入の検討に入った。当初はワークフローのみを更新し、既存のCTPセッター(SDP)と同タイプのものを増設する方向だったが、今後の動向などを考慮し、サーマルタイプを導入することになった。正直、アバロンは比較検討のための材料の一つとしてお話しを聞いていたが、実際に導入会社へ見学に行き、アグフアさんから説明を受けるうちに気持ちがアバロンに固まった」と経緯を打ち明ける。「アバロンLF」は、正確さと瞬発力、効率性を兼ね備えた新世代のCTPシステムと定評であり、安田課長も出力品質や高生産性、利便性に魅力を感じたとのこと。
 そしてケミカルレスサーマルCTPプレート「:Azura(アズーラ)」を併せて採用した。安田課長は「環境を重視するお客様も多く、今後を考えれば現像レスというのは魅力があった。当社の営業もその点からアズーラを支持していた。私としては検版性と印刷性をポイントとして厳しくチェックしていたが、なによりも出力した時点で検版できることが大きい。印刷する側としては、印刷機にセットする前に検版が終了している事は絶対に譲ることのできない条件であった」とポイントを語る。
 導入後には、「過去、アナログ製版が多かった時は前準備・撮影・暗室作業など何かと人手が必要だった。アバロンとアズーラのシステムは検版のみで済むため、操作部分を含めて無駄な手間を省くことができている。このため、オペレーターに余裕が生まれ、違う仕事に目を向けることができ、少人数で大きな成果を挙げている。さらに、ケミカルレスCTPを導入したことで、環境問題を考えているお客様の反響は大きい」(安田課長)とその効果に顔をほころばせる。
 また、環境対応に加え、「アズーラは着肉性と網点の再現性がいい。以前と比べ、より再現性が向上したことで、従来では困難であったデザインにも十分に対応できるようになった。品質の向上は当社にとって最大の強み」と自信を覗かせる。
 同社では、すでにCTP化率70%を達成しており、今後2~3年でフルデジタル化を実現することを目指しているという。

   

◆PDFワークフローへの取り組み

 

 ワコープラネットが「アバロンLF」と「アズーラ」を決断した理由のひとつにアグフア社の「:Apogee(アポジー)」によるPDFワークフローの構築があった。同社では1999年から本格的なPDFワークフローの運用を開始。当時としては一歩も二歩も先に進んだ取り組みであった。
 現状の「:ApogeeX(アポジーX)」によるPDFベースデジタルワークフローを構築したのは昨年2月のこと。効率的で高度な真のハイブリッドワークフロー構築を実現する次世代デジタルワークフローである。安田課長は「先ずRIPの速度にプリプレス担当者が魅せられた。また、以前はPDFを1ファイル毎に手動でチェックしていたが、今ではPDFを書き出す際にチェック用のプロファイルを使用することで自動的に各種チェックが行える様になり、エラーが生じたものはPDFに書き出せないようになった。このため非常に楽に作業を行うことができる。煩雑であった業務が大きく軽減された」という。現在展開している、本社(千代田区)で高解像度のPDFを作成し、板橋事業部で面付け、出力を行うアポジーの2サイト運用も注目したいところだ。

  安田課長

安田課長

   

◆環境適応業として

 

 同社の企業コンセプトに『環境適応業』という言葉がある。「社会環境やお客様の市場環境など、すべてにおける環境適応をしていくのが当社の役割である。その意味でアズーラは私どものコンセプトに当てはまっている製品である」と安田課長。
 今後について「フルデジタル化を目指したワークフローの確立と設備の新たな見直し」と話すように、環境対応を実践した上でのデジタル化を実現すべく、早くも次なる歩みを進めている。環境適応業として