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株式会社吉田印刷所

【吉田印刷所×アグフア 特別対談】

注目される「フレッシュプリントコンソーシアム」

日本印刷新聞 2017年4月10日号掲載 

株式会社吉田印刷所 代表取締役社長 吉田 和久

日本アグフア・ゲバルト株式会社 代表取締役社長 松石 浩行

 

株式会社吉田印刷所(本社・新潟県五泉市、吉田和久社長)と日本アグフア・ゲバルト株式会社(本社・東京都品川区、松石浩行社長)は昨年8月に「ムダの無い印刷物作りを目指して」をコンセプトにした「フレッシュプリントコンソーシアム」を発足し、印刷物の価値向上を目的とした「フレッシュプリント」の啓蒙活動が行われている。

発足から半年が経ち、本コンソーシアムの現在の活動内容や今後の展望について吉田社長と松石社長に語り合ってもらった。

大きく変わる印刷概念

松石 フレッシュプリントコンソーシアムを立ち上げてから半年が経過しました。

設立当初は、一体どれくらいの方が、賛同してくれるのだろうか?と思っていましたが、予想よりも多く、既に40社の印刷会社の皆さんにご参加頂きました。

しかも、コニカミノルタジャパン・キヤノンマーケティングジャパン・リコージャパンというPODの3大メーカーの方々にも当コンソーシアムの主旨にご賛同頂き、特別賛助会員として加わって頂くことができ、幸先の良いスタートが切れましたね。

 

吉田 このことは、印刷会社の中でも、「納品後の印刷物が招く、情報の陳腐化の現状をこのままで良しとするか?」という疑問の現れだと思います。

PODメーカーにしても、「PODとオフセットのどちらが優位なのか?」という短絡的な見方ではなく、同じ紙媒体としてそれぞれの機能差を生かして共存出来れば、ビジネスの領域がさらに広がることができます。

それはとても良いことであり、情報伝達手段としての紙媒体は、その作り方と発想を変えれば、まだまだ発展していく余地が随所にあることを再認識して頂けたと思います。ですから、危機感を募らせていた皆さんが、新しい印刷の未来に諸手を挙げて賛同されたのではないでしょうか。

 

松石 アグフアが本年2月に発売したワークフロー“アポジー”のヴァージョン10からはPOD 3社との本格的な技術提携により、アポジーのRIPから各PODメーカーの出力機へ出力指示が行えるようになりました。

これによりあたかもオフセット印刷機へ出力するように、POD機器に対してもアポジーから「プリフライト・カラーマネージメント・面付け・各種作業」を指示できるようになりました。これは画期的なことです。

 

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吉田 今までは印刷機械メーカー自身が、POD をOEMにするような形でワークフローと繋げていましたが、POD をあるがままの姿で、オフセットのワークフローと接続ができるというのは、印刷会社にとっては、何よりもありがたいことです。

データ入稿の段階で、この仕事は、オフセットなのかPODなのかを考慮してデータ処理したり、色の違いを心配する必要もなく、当たり前のこととして出力寸前に、オフセットとPODの使い分けができるのですから。

これまでの印刷の概念そのものが大きく変わります。フレッシュプリントコンソーシアムの普及にも大いに弾みがつくことと思います。

 

■まず基本は、印刷現場で徹底的にムダを出さない

松石 吉田社長は、以前、機上現像方式のCTPプレートをお使いになっていました。

 

吉田 はい。環境と品質の安定を考えると、現像レスプレートは、今後印刷会社が採用すべき仕組みだと考え、発売当初から長い間使い続けて来ました。

しかし、当社は油性インキによる乾燥促進印刷を行っている会社ですので、CTPプレートは「できるだけ水が絞れる」ものを必要としていたのですが、残念ながら当初は、期待通りの結果を得ることが出ませんでした。

その点、アグフアさんのアズーラは、「現像レスであり、かつ水が絞れる」と言う、当社が期待していた機能を備えたプレートでした。このアズーラのような「砂目を浅くして、保水性を制限した」プレートこそが、我々印刷のプロフェッショナルが使うべき、プロ仕様のプレートだと思います。

 

松石 つまり、保水性を制限しているからこそCTPプレート上の水が絞れ、インキが少なくてもインキが有する最大限の濃度を出せ、その結果として用紙に転写したインキの乾きも早くなる、だからパウダーを殆ど必要としない訳ですね。

 

吉田 オフセット印刷の原理と原則にのっとり、「水とインキ」をいかに絞るかで、様々な可能性を生み出すことが出来るということです。

損紙(ヤレ)の削減や印刷のスピードアップを実現できるだけではなく、一例ですが従来印刷などできないと思われていた、ティッシュペーパー程度の超薄紙にも、油性インキでのフルカラー印刷を可能とし、現在新規市場の開拓が行われています。

 

松石 日本アグフアも吉田社長のお話を伺い、CTPプレートメーカーとしては世界で初めて「アズーラを使っての速乾印刷」ということを多くの印刷会社に紹介・実践して頂きました。

アズーラ速乾印刷の実践で印刷トラブルは減少し、無駄なコストが浮いて、生産性も品質も上がる。

油性インキを使用していながら、乾燥が早く、印刷の際の様々なムダを極限までなくしてしまうこの試みは大成功を収め、業界にも大きなインパクトを与え、おかげさまで国内での導入は全版クラスだけでも、1,000胴に迫る勢いとなりました。
 
   

新たな付加価値創出

■印刷現場のムダだけではなく、クライアントに納める印刷物のムダも無くす

松石 極限まで水を絞る乾燥促進印刷により印刷現場のムダを無くすことに成功された吉田印刷所様は、次に印刷発注者であるクライアント側で発生する無駄な廃棄を無くそうと「フレッシュプリント」(小口分割印刷)を考え出されました。

 

吉田 印刷会社はこれまで印刷機をセットアップする準備時間に、多くの労力と資材を費やして来ました。

ですから利益を出すためには、一度に出来るだけ多くの発注量、つまりロングランの印刷物を必要とし、クライアントにも単価が下がるからと、大目の発注要請を行ってきたのです。しかし、昨今のように製品のライフサイクルが短くなり、小ロット・多品種が一般的になると、大量に作成した印刷物の情報はどんどん陳腐化していき、その結果使い切る前に廃棄してしまうことになるのです。つまりお客様は、廃棄することになる印刷物までも、発注させられていたという訳です。

今や印刷物は変化する情報に、迅速に対処せねばならない役割を担っているのです。

 

松石 印刷の小ロット化が進んだ背景には消費者のニーズが多様化してきたというクライアント側の事情があった訳で、今後もそれは否応なく進み、より速くなる訳です。印刷会社だけが今までのやり方に固執していては、印刷そのものが世の中の変化についてゆけなくなってしまうという事ですね。

 

吉田 その通りです。

印刷会社はクライアントに対し、自ら積極的に印刷の情報更新というニーズについて、適切な情報提供を行う必要があります。

この対応こそが情報伝達媒体としての、印刷の未来を担保する、あるべき姿だと思います。

 

■フレッシュプリントコンソーシアムの未来 

松石 さて、フレッシュプリントコンソーシアムには印刷会社やPODメーカーだけでなく、デザイナーさんやクライアントさんからも期待が膨らんでいます。

今後、どのようなコンソーシアムになれば良いとお考えですか?

 

吉田 まずは各都道府県で1、2社程度、真剣にフレッシュプリントを考えて頂ける核となる印刷会社さんにご参加頂きたいのと、印刷物の適宜の情報更新を望まれる、デザイナー・クライアントさんには、できるだけ多く参加して欲しいと思います。

徹底的にムダを無くした印刷現場であれば、即座にフレッシュプリントには取り組めるはずです。

さらに、フレッシュプリントの考え方には賛同はするが、フレッシュプリントに取り組むにはまだまだ課題がある、そうお考えの印刷会社であっても、フレッシュプリントコンソーシアムに参加して頂ければ、アグフアさんと一緒に当社からも生産と販売技術のアドバイスをさせて頂きたいと思います。

またデザイナーさんやクライアントさんにもフレッシュプリントの価値をご理解頂く機会を、より多く提供して参りたいと考えています。

 

松石 フレッシュプリントは、印刷物を「安売りするための商品」ではありませんよね。

 

吉田 勿論です。

決して印刷物を安売りするための手段ではありません。フレッシュプリントはクライアント側にとっても、これまでまったく無縁であった印刷物の情報更新という、付加価値の付いた選択肢を提供します。

このことは、印刷会社とクライアントが、ステークホルダとしてwin・winの関係を目指すものです。

既にフレッシュプリントをご活用頂いているお客様では、常に最新の情報を掲載できることで、印刷物の利用頻度も高まり、合計すると以前より多くの印刷物を、ご発注いただくようになりました。

この事実こそが、ムダのない価値ある印刷物を調達し、利益を生んでいる唯一の証しなのです。

 

松石 その大前提としては、小口分割印刷に対応できるムダを出さない・高品質で高い生産技術を実現した印刷現場が必要ということですね。

 

吉田 そうです。

その現場力を「フレッシュプリント」という、新しい付加価値を生み出す仕組みで、販売技術の向上を図り、営業力アップに繋げるということです。

今後さまざまな情報交換の場として、フレッシュプリントコンソーシアムがお役にたてればと考えています。

 
   

極限まで水を絞る

■現場力向上のためには、印刷資材の選定を、現場任せにしない

松石 余談ですが、しかし重要なことだと思うので、お聞きしたいのですが、印刷会社の経営者の多くは、「印刷の資材関係は、現場が選んだものを使わせている」とよく言われます。

しかし、私自身は、これについては、それで本当に良いのか、と疑問を持っています。

 

吉田 全く同感です。自分の会社が、将来どうあるべきか、その為には印刷現場や営業が、今何を成すべきかは、経営者が決めるべきことです。

このことは、社長の重要かつ最大の責務だと考えています。それには、印刷現場でどんな資材や機器を使うのか、経営者自身が判断を下さねばなりません。現場に任せてしまうと、往々にして昔から使い慣れたものや、使い易い物を選択したがるものです。

現場の責任者も内部での衝突を嫌って、部下の好きな物を使わせたがるのではないでしょうか。

しかし、ほとんどの場合、必ずしもベストチョイスとはならないのです。仮にオペレーターにとっては使いにくいものであっても、プロとして使うべきものは、たくさんあります。

例えばCTPプレートの選択ですが、仮に100%印刷現場にその選択を任せてしまうと、現場の多くは、大多数の意見である「印刷し易い」という基準で選択するのではないでしょうか。

当社のような「水を極限までに絞りたい」という経営サイドの理念に反する選択結果も出かねないのです。これではいけません。具体的に説明するとCTPプレートというのは、保水性が良ければ良いほど、当然、印刷時の汚れの心配はなくなります。

しかし、その結果、水が多いとインキの過乳化現像が起き、乾燥遅れ・パウダー過多・インキのボタ落ち・断裁トラブルなど、水の供給過多によって発生するトラブルは、大きなマイナス要因となります。また、当社のように超薄紙へのカラー印刷の場合、水過多によるファンアウトによって印刷そのものが、困難となります。

機器や資材の選択は、業種を問わず、会社の生命線となるものです。ですから現場任せではいけません。

逆に、現場が導入したがらない物については、経営者は、その本質的な理由等について、十分に精査しておくべきなのです。

そういう状況から、アズーラというプレートは、資材選択を現場任せにしている印刷会社では、なかなか理解されないプレートなのかもしれませんね。

しかし、水を極限まで絞って、高品質な印刷品質を目指して、ムダを最小限に止めて印刷することが出来るのは、現時点ではアズーラが最良の選択肢だと思います。

 

松石 有難うございます。おかげさまで「プロ仕様なので印刷が難しい」と言われたアズーラですが、水を絞り速乾印刷を実践されているユーザー様は、現在国内で全判印刷機の胴数で、1000胴に迫る勢いとなりました。

しかもアズーラ速乾印刷に取り組んでから、「自社の印刷レベルが格段に上がった「印刷トラブルが無くなった」「無駄な経費が、大幅に減少した」と喜ばれています。

 

吉田 同じようなことをアグフアさんが、印刷機のメンテナンスを行うキャンペーンを始めてから、競合メーカーも行っていますが、印刷業界にとっては、本当に有り難いことです。

さらに、アズーラは使ってみれば理解してもらえるのですが、アズーラで印刷することで、印刷機の状態を簡単に判断するバロメーター代わりにもなるのです。

保水性の高い一般的なCTPプレートは、仮に印刷機が変調をきたし始めた場合でも印刷物ですぐには判断できません。

しかし、アズーラはその変調がすぐに印刷物に反映されますから、印刷機の状態が大きく崩れる前に短時間で調整ができます。

結果として、印刷機がストップするロスタイムそのものが大きく削減できるのです。

 

■これからの印刷業界

松石 日本で初めて印刷通販を始められ、また、同じく油性インキで水を限界まで絞って、乾燥促進印刷を提唱され、さらにまた、日本で初めて、クライアントのムダを無くそうというフレッシュプリントの普及に骨を折られている吉田社長ですが、最後に、次の印刷業界を担う世代の人達に一言お願いします。

 

吉田 当社は私で3代目となり、2020年東京オリンピックの年に創業100周年を迎えます。

この間、時代が求める変革の波を乗り越え今日を迎えています。それぞれ次代の経営者が、不安と恐怖に苦しみ変化に立ち向かったから、今のビジネスモデルがあると考えます。

弊社は常に進化する企業でありたいと願っています。進化するとは、時代の求めを先取りし、その予兆を潜在需要の中から見つけ出すことだと考えます。こんな仕組みがあったら便利で助かる、そんな欲求を満足させることが、進化の道を創り出すのです。

決して人真似ではない独自の道を、FPCで共に切り開きませんか。

進化を目指す苦労の価値を、理解する次代を担う人に、ご参加頂ければと願っています。

 
   
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