TOP > インタビュー・事例紹介 > インクジェット導入事例 > キングプリンティング株式会社_2022.6

キングプリンティング株式会社

JETI TAURO H3300 を活用し、印刷メディアの価値を向上させ、
マーケティングのあり方を変えてゆく

 

JETI TAURO導入事例

POPEYE 2021 年10 月15 日号

 キングプリンティング株式会社(大阪市西成区)は国内導入台1号機となるアグフア・ゲバルトのJETI TAURO H3300 を本社工場に導入した。数年前から、デジタル印刷の可能性に期待を寄せ、調査・情報を収集を進めてきたなかで、慎重な検討と検証作業の末、アグフアのJETI TAURO H3300 を選択した。その経緯と狙いを専務執行役員・光弘 祐紀氏(現・取締役社長)にインタビューした。(POPEYE 2021 年10 月15 日号)

創業以来のイノベーション精神

 当社は1917 年に映画看板を手描きで制作するアトリエとして創業し、今年104周年を迎えました。創業者は多くの弟子を抱える看板職人でしたが、あるとき映画看板の画期的な描き方を発明し、当社の成長のきっかけとなりました。それは、無地の看板にデザインを投影し、それをなぞって絵を描くという手法でした。
 
 当時はもちろんプロジェクターのような装置など無かったので、創業者自ら投影装置を開発し、全く新しい描画手法を確立しました。そのおかげで、効率よく、質の高い映画看板を全国に展開できるようになりました。画期的な描画手法は評判となり、当時の看板製作のスタンダードになっていきました。

 その後、制作が追い付かなくなるほど注文が殺到し、次に創業者が目を付けたのが高品質で大量生産が出来るオフセット印刷でした。これも当時は日本に大型オフセット印刷機が存在しておらず、海外へ行って買い付けた紙幣の印刷機をベースに、自分たちで4 倍版オフセット印刷機を開発したことで、国内初の大型オフセット印刷会社となりました。

 そうした創業の経緯を持つキングプリンティングにはイノベーション精神が脈々と流れており、社員もその自負を持っているのではないでしょうか。

 
ShinseisyaNisikawa_2022_2_500x375.jpg
キングプリンティング 本社工場

 

デジタル投資で営業改革を推進

 海外で大判のインクジェットプリンターが普及しだした当時から大型のプリンターを他社に先駆けて導入してきており、これまで数多くの国内1号機を導入してきました。1999 年に導入した当社初のインクジェットプリンターも5m の国内1 号機でした。その後も、デジタル投資を継続し、現在では大小様々なタイプのインクジェットプリンターを約30 台所有しています。 当社ではインクジェットの売上が年々伸び、受注件数ではすでにオフセットを大幅に超えています。インクジェットの印刷品質が上がり、オフセットと比較しても遜色なく、生産性も年々早くなっている中で、一層のデジタル投資を進めることで、お客様にとっても画期的なサービスが提供でき、我々にとっても一歩進んだ営業が可能になるのではと漠然とした思いがありました。

 

 情報収集を開始したのは約2 年前で、海外の展示会にも足を運び様々な製品を見て回りました。その中でアグフアからJETITAURO の紹介は受けていましたが、生産性の観点から当時はシングルパスインクジェットを積極的に調査していました。

 しかし、調べていくうちにシングルパスの弱点に気が付くようになってきました。同時にTAURO のようなマルチパスのほうが安定性が高く、当社のお客様にとってはこちらの方が良いのではないか、と認識するようになっていきました。そこで、発想を逆転させて、TAURO を使ってオフセット並の生産性を実現するオペレーションができないかと、何度もシミュレーションをした結果、可能性が見えてきたのです。

 

今回導入を決めたJETI TAURO は解像度1200dpi でオフセット印刷に匹敵する品質で、生産性も最大で453 ㎡/時、生産モードにおいても200~300 ㎡/時と十分なレベルでした。世界的なコロナ禍の中での検討でしたが、導入前にはベルギーにあるアグフアのショールームとオンラインで繋いでリモートデモを行い、一連のオペレーションやメンテナンスを確認したり、実際に使う印刷用紙をベルギーに送って長尺印刷のテストを行うなど、制約がある中で出来得る検証を繰り返しました。

 その結果、品質、生産性を確認できたことに加えて、従来の大型高速プリンターと比較しても安定性が格段に向上していると確信できたことで導入の判断に至りました。

 
KingPrinting_2022_2_500x375.jpg光弘社長
 

印刷メディアの価値を上げる

 

 ずばり狙いは印刷メディアの価値を上げることです。JETI TAURO 導入により、多品種印刷における短納期対応を可能にすることで、印刷メディアがお客様となる広告主にとって、コストパフォーマンスが良く、柔軟で利便性の高いメディアである、と再認識して欲しいと思っています。特に私たちの大型ビジュアルコミュニケーションの市場においてデジタルサイネージと戦っていくうえでも、多品種少量印刷の短納期対応は強みになります。

 例えば1000 枚のポスターを印刷するにしても、オフセットでは短時間で安価に印刷が可能ですが、1000 枚それぞれ絵柄を変えたい、というニーズには応えられませんでした。これがJETI TAURO なら可能になります。

 また、JETI TAURO ではプリプレス工程が一切なく、高い生産性に加えてUV インクの即乾性により、大型印刷のジャストインタイム化が可能です。ブランドオーナーの宣伝担当者はなるべく鮮度の高い情報を広告に採用したい、トレンドを反映させたいとの想いを持っています。広告展開の直前で印刷を行うことにより、そうした想いを叶えられるのではないかと考えています。

 
KingPrinting_2022_3_500x375.jpgJETI TAURO
 

 また、一般のサイン・ディスプレイ商品に関しても大型インクジェットプリンターの普及とともに印刷単価が下落傾向にあり、生産コストを下げて、利益が出る体制を整えることがもう一つの課題です。JETITAURO のインク消費量の少なさと高い生産性により低コストで生産できる体制を構築したいと考えています。

 メディアの入力デバイスとしてマスターRTR ユニットを選択しました。直径600m・重量700kg までの長尺ロールを搭載でき、メディア交換作業を省き、連続印刷が可能になるほか、サイズの制約を受けずに印刷が可能となります。また、シートの場合、仕上がりサイズに合わせて同じ用紙をサイズ違いで何種類も在庫する必要がありましたが、在庫減少にも貢献してくれると考えています。

 マスターRTR ユニットは脱着可能なので、マニュアル印刷テーブルを接続し、ボードなども印刷でき、1台で様々な印刷メディアに対応できることもメリットだと思います。ハイブリッドタイプならではのマルチシートも可能なので、ボード印刷の生産性向上も期待しています。

 

世界を、楽しく、美しく

 生産リードタイムの短いJETI TAURO は入稿後、少量多品種であっても短時間での納品が可能になり、広告主にとって宣伝計画を柔軟化し、マーケティングの在り方を変えるポテンシャルを持っています。

 広告・宣伝がますますパーソナルなものになっていく今の時代、それに印刷メディアも追い付いていかなければなりません。そのためにJETI TAURO が活躍してくれるものと思っています。

 当社はお客様の「ビジュアルコミュニケーション」をお手伝いする企業として、今回の導入により画期的なサービスを提供できることはもとより、先進性のアピールにもつなげていきたいですね。創業以来のイノベーション精神で、印刷メディアの高付加価値化を追求し、当社の経営理念でもある「世界を、楽しく、美しく」を実現していきたいと考えています。

会社紹介

キングプリンティング株式会社

取締役社長 光弘祐紀

創業  1917年

資本金  1,500万円

キングプリンティング株式会社ホームページ