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株式会社パック・ロード

 

アグフアJETI MIRA導入で生産性向上
ベタが多い什器、インクコストの抑制で解決

 

デジタル印刷ビジネスブック 2016年秋号掲載

 

立体物を企画・設計

 

 株式会社パック・ロードは2016年9月、アグフアのスーパーワイドフォーマットフラットベッドUVインクジェットプリンタ『JETI MIRA(ジェットアイ ミラ)』を導入し、ダンボール製の什器など、小ロット立体物の生産性を向上させた。

 

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中桐英策社長

 同社は1995年、岡山市で印刷・紙器加工業として創業。表面加工用のプレスコート機1台で事業を開始し、その後、PP加工や加飾用のシルクスクリーン印刷、トムソン抜き、合紙へと業務を広げ、現在、“特殊加工”を主体とする総合加工業として各地に顧客を持つまでに成長した。岡山県は加工業者が少なく、多くの印刷会社が関西方面へと加工を外注する。その中でも様々な加工に応じる同社は地元の印刷会社を中心とする取引先に、スピードと運送コストの面で利便性をもたらしている。

     
 同社の中桐英策社長は創業以前、美粧ダンボールの製造に関わっていた。印刷物の加工受託に加えて次第に木型製作を取り込み、パッケージなどの立体物の設計にも携わるようになったのは、モノづくりへの想いが強かったためである。「木型製作はデータをもらって加工だけ請けるケースと、企画・設計から提案するケースがある。当社は企画・設計から手掛けていったが、6年前に導入したUVインクジェットプリンタと企画・設計のノウハウを合わせたことで、什器等の立体物を受注できるようになった。
  

生産性向上の寄与するJETI MIRA

 

 インクジェットにより、小ロットで大型の製品も作成ができるため、当社の独自性という価値を加えられる」と、提案型の事業に着手。現在では百貨店など大手企業から小ロットから大ロットまでの什器を受注している。

 同社の什器はひと目でダンボール製に見えない。印刷技術と加工技術により、木製や金属製と見間違えるほどリアルな仕上がりとなっている。こだわってきたのはダンボールの切り口が見えないようにする加工。現在ではエコロジーやリサイクルの観点からダンボールを見せるデザインが増えているというが、多くの同業他社は小口テープを貼って、切り口を見えないようにしている。「作るのは後でいい。まず何を置きたいか、入れたいのか、お客様の要望を聞きながらアイデアを出し、様々な制約をクリアしていく。やはりモノづくりはおもしろい」という中桐社長の理念が他社にない新しいノウハウ、技術の獲得につながっていった。

     

インクの無駄を抑制

 

 JETI MIRAを導入する半年前、既設のUVインクジェットプリンタ2台のうち、6年前に導入した1台のヘッドが交換時期を迎えていた。4つのヘッドを一度に変えなければならず、コストがかかることと、現在、販売されているUVインクジェットプリンタと比較して生産性が劣ることから機械の入れ替えを検討している時にアグフアからJETI MIRAを提案された。

 

 中桐社長は「JETI MIRAのインクは濃度が高く、しかも使用するインク量は少なくて済む」と述べる。JETI MIRAに採用されている『ANUVIA(アヌビア)』インクは顔料の含有量が多く、少ないインク吐出量で高い濃度が得られるこれによりインクの使用量を減らし、ランニングコストを低く抑えている。とくに同社が手掛ける什器の場合、ベタの絵柄を多用するデザインが多いため、コスト負担の軽減に直結する。

「データ処理でインク量を少なくする工夫をしているものの、インクジェットはパージ(ノズル詰まりを防ぐためのインク吐出)がどうしても必要になる。当社の場合、1ヵ月もすると20リットルのタンクが一杯になる。その3分の1がインク。JETI MIRAはパージも少なく、全体的にインク量が抑えられ、非常に助かる」。

 

 また、同社のJETI MIRAにはインクジェットプライマーが搭載されている。インクジェットプライマーによりこれまでUVインクでも難しかったPP発泡ボードやアクリルなどの印刷原反にもしっかりインクを密着させる上、手塗りとは異なり必要な部分のみプライマーを塗布することで素材の質感をそのまま維持できる。今後、プラダンやPPへの印刷アプリケーションを考えているが、「インク自体の密着性が高いので、当社が扱うメディアでは問題がない。今まで付かなかったメディアでも十分に対応できている」と、ANUVIAインクを高く評価している。

 

 生産性の面でもJETI MIRAは導入の動機となった。フラットベッドのサイズは3,200㎜×2,690㎜。フラットベッドには2つのメディアをセットすることができる。一方のメディアを印刷中に、片方をセットする「ノンストップモード」で準備時間を短縮し、連続で印刷することができる。これにより出力速度以上の生産性を獲得。「UVインクジェットの業務はデータが入ればすぐに印刷して出荷する体制を取っている。納期がタイトでも遅れたことがない」という同社の信頼性の維持・向上を支える。

 

 UVインクジェットプリンタの生産性が飛躍的に向上したため、今後の課題に加工の生産体制の見直しが挙がっている。同社には、大ロットながらオフセット印刷ではできないメディアを使用する仕事も入ってくる。この場合、UVインクジェットプリンタで対応しており、プリンタの生産性アップはビジネスに大きく寄与する。

 

       

 ダンボール製には見えない木目調の什器(棚)          棚の素材はダンボール

 

地域から発信するスピード感

 

 同社は近年、東京ビッグサイトで毎年開催されている販促EXPOにも出展している。新規顧客との接点を作る場と捉えており、販促EXPO経由で接点ができた顧客は同社の加工・設計とスピードを評価する。

 現在、同社が受注する7割はデータを預かって印刷・加工したり、印刷物を受けて加工したりする受託もの。企画・提案は3割となっている。安定した業務と付加価値の高い業務のバランスが取れているという。什器の仕事は季節やイベントごとに発生し、リピート率が高い。毎年、販促EXPOも最低2件から受注すれば、安定した仕事が積み重なっていく。

 

 中桐社長は「地方だからこそ色々なことができるし、遠距離であっても航空便を使えば日本各地に翌日の午前中に納品できる」と、スピード対応を強調。もはや交通インフラやITの進展で立地のハンディキャップは少ない。同社ではこれからも“特殊加工”という技術・ノウハウを活かし、事業を拡大していく意向である。JETI MIRAはその基盤を支える生産設備の一つとして大いに期待されている。

 

株式会社パック・ロード

岡山県岡山市南区藤田566-144

TEL086-296-2936

http://www.pack-road.co.jp/

 

 

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