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株式会社シンボ

2.5D表現で新需要創出

厚盛・レンズ昨日の可能性追求 フラットベッドUVIJ JETI MIRA導入

印刷ジャーナル 2018年11月15日

 

「次代に繋ぐ独自サービスを目指して…」−−新潟県の南西部、日本海に面して位置する上越市に本社を構える(株)シンボ(新潟県上越市頸城区下吉77−5、新保敬義社長)は2017年3月、「厚盛印刷」「3Dレンズ印刷」といった特殊印刷機能を備えたハイエンドフラットベッドUVインクジェットプリンタ「JETI MIRA 2732 MG」を導入。主力であるターポリン素材への印刷・加工事業においてワンランク上のクオリティ、瞬発力を追求するとともに、新技術による「2・5D表現」の訴求で、新たな需要創出に乗り出している。

テント製造からインクジェット出力へ

 高度経済成長期の終焉から間もない1976年。
 テント製品の製作、販売、施工業者として糸魚川の地で産声をあげた同社は、その後、それに付随する産業資材の縫製加工業務で事業を拡大し、現在では、防衛省関係の縫製加工などを主力に、同分野ではパイオニア的存在としてその地位を確立している。

  




 

新保社長.jpg新保社長
 そんな同社がインクジェット技術に新たな可能性を見出したのが1994年。テントの素材であるターポリン(ポリエステル繊維の織物を軟質な合成樹脂フィルムでサンドしたビニール系素材)などに直接プリントする「広告サイン系」の事業に乗り出した。

 しかし、当時はまさにインクジェット技術の黎明期。新保社長は「品質・生産性・コストのすべての面で非常に苦労した。ただ、この『次代の技術』への先行投資、挑戦があったからこそ自社のいまがある」と当時を振り返る。
 結果、この「付加価値」が多くのクライアントに受け入れられ、現在では、溶剤、UV、ラテックス、昇華転写など、インク適性ごとの多彩な方式による10台のインクジェットプリンタがその需要を支え、売上ベースでも自社の「メインエンジン」へと成長している。
 同社の最大の強みは、やはり多彩なインクジェット方式による「守備範囲の広さ」と圧倒的な「生産能力」だ。さらに創業から培ってきた縫製加工技術も大きな強みで、これらによる一貫生産体制が納期対応、いわゆる「瞬発力」を生み出している。

特殊機能ありきの選択

 常に先進技術への積極投資を繰り返してきた同社が、「次の戦略機」として2017年3月に導入したのが「JETI MIRA」だ。その背景には、柱であるターポリンへの印刷・加工事業における「仕事の幅」を広げる狙いがあったという。「いままでできなかったことができる」という「JETI MIRAの機能ありき」の投資だったわけだ。

 

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    デザインの質感や凸凹感をリアルに表現
 そんな新たなアプリケーションへの開発意欲を掻き立てるJETI MIRAの代表的な機能が「白インクの厚盛り」と「ニスを使った3Dレンズ印刷」である。
 「白インクの厚盛り」は、言うまでもなく、実際のデザインの質感や凹凸感をリアルに表現できる。また、JETI MIRAによる3Dレンズ印刷とは、専用のソフトウェアを使い、視覚効果によって立体的な表現を実現するもの。裏に6色+白を印刷した後、表にクリアニスで小さな球状のレンズを印字することで3D効果を表現できる。

  厚盛_2.jpg
 「平面から立体の表現が可能になるこれらの機能、技術に大きな可能性を感じた。当社では、これらの印刷方法を『2Dと3Dの中間』という意味から『2・5D印刷』と称して市場に訴求していきたいと考えている。実際の商業ベースではまだまだこれからだが、『販促EXPO』への出展では来場者から大きな反響も得ている」(新保社長)

 一方、現場から見たJETI MIRAの評価について新保社長は、品質面において、高解像度による「描画性」と、3〜4ポイント程度まで可能な「小さな文字の再現性」などを挙げている。「JETI MIRAのクオリティはUVプリンタの中でもトップクラス。6色+白の印刷による色域の広さについてもクライアントから高い評価を得ている」(新保社長)

2018_JETI MIRA.jpgJETI MIRA

建材・工業系向けの展開も

インクジェットプリント出力事業の「幅」に広がりを持たせるための「戦略ツール」として導入された「JETI MIRA」。このことについて新保社長は「これまでも常に新しい技術、可能性に投資し、挑戦してきた。JETI MIRAへの投資は、将来の新たな事業化に向けた先行投資的な意味合いが強い」と説明する。

 その最有力候補に挙げているのが建材系や工業系向けの展開だ。「これらの市場に向けた挑戦において、柔軟性および耐久性のあるインクの開発が不可欠」(新保社長)とし、アグフアのさらなるインク技術の開発に期待を寄せている。