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株式会社ウエーブ

 

高いメディア対応力活かして商材を拡張

小ロット厚盛りなど特殊効果にも期待

月刊プリテックステージ 2016年9号掲載

 

 印刷ネット通販の株式会社ウエーブは今年6月、アグフアのフラットベットUVインクジェットプリンタ「JETI MIRA MG 2716 HS」(以下、JETI MIRA)を導入し、取り扱うメディアの種類を格段に拡大した。生産性も大幅に向上し、今後、UVインクジェットプリンタならではの独自新商品を開発していく。

 同社は1985年にソフトウェア開発会社として創業。1996年に印刷事業を始め、翌年、業界に先駆けて印刷製品の通信販売に着手した。さらに1年後に電子メールを利用した発注サービスを開始。2000年にはWebサイト上で印刷物受注を自動化し、主力事業である印刷ネット通販事業の基盤を構築した。

 

 現在、同社の商材は多岐にわたる。頁物印刷、商業・宣伝印刷、事務用印刷からサイン・ディスプレイ、販促グッズ、CD・DVDジャケットまで、加工、サイズ、素材によって様々なバリエーションを展開。加えて一般的な印刷ネット通販サービスではほとんど受け付けない「特注案件」にも対応する。サイト上のメニューにない商品についても積極的に受注している。特注案件には印刷以外にもチラシや冊子、カードなど異なる印刷物をピッキングし、封入・封緘、発送するサービスを提供。6月に導入したJETI MIRAは同社の商材拡張と、特注案件の対応力強化を図る上で大きな期待が寄せられている。

 

幅広いメディアに対応するプライマー

 

 同社が最初に導入したワイドフォーマットインクジェットプリンタは水性タイプ。主に印刷業務の延長線上から、オフセット印刷では採算の合わない小ロットポスターの用途に利用していた。次第に顧客のニーズが多様化するに伴い、UVインクジェットプリンタを追加。パネルや横断幕、サイン・ディスプレイ、のぼり、什器などの商材を増やしていく。対応する素材も増えて、紙メディアをはじめ、ターポリン、トロマット、ダンボール、スチレンボードなどに広がった。

 しかし、初期に導入した2台のフラットベッド型UVインクジェットプリンタは老朽化。需要の増加に対応すべく同社では新台への入れ替えを検討に入り、機種の選定を開始した。選定基準は即設プリンタ2台分の生産性を持ち、印刷商材をさらに増やせるようメディア対応力の高い機種。同社の白子善久社長は「生産性はこれまでのプリンタ2台分以上。1,200dpiの解像度と7plの微細なドロップにより、品質も格段に向上する。厚盛りなどの表現も可能で、今後、新たな商材の開発に寄与してくれるだろう」という理由から、JETI MIRAの導入を決断した。

 同社が導入したモデルは6色+ホワイト+デジタルプライマー搭載機。インクの定着を促すプライマーをインクジェットで塗布することにより、今までUVインクでも密着の難しかった多彩なメディアに対応する。「JETI MIRAは出力できる素材の幅が非常に広い。今まで扱えなかった特殊な素材に印刷することで、商材の幅が広がる」(白子社長)。

 JETI MIRAのプライマー処理は、従来の手作業では難しかったンクを定着する部分にだけ塗布することができる。このため、アクリルなどクリア素材の透明感が保てるほか、素材の質感が損なわれない。また、プライマーとインクがワンパスで塗布されるので、出力速度を落とすことなく描画する。コストがかかるインクジェット対応の素材を購入する必要がないことも、JETI MIRA導入の決め手となった。   

 

 また、白子社長は「導入前に木目表現の立体的な出力サンプルを確認した。触るとオッと思うような商材ができそう」と、ホワイトインクを使った厚盛り機能にも着目。JETI MIRAではホワイトインクを重ねた上に色を乗せることで、簡単に特殊表現が得られる。通常、盛上げ印刷はUV印刷やバーコ印刷が用いられ、小ロットに向かないが、UVインクジェットであれば小ロットに適するほか、細かい部分の盛上げが可能になる。同社では招待状や結婚式のウェルカムボードへの採用を見込んでいる。

 JETI MIRAのホワイトインクは隠ぺい性も高い。電飾看板用のバックライトフィルムはホワイトが薄いと絵柄のインパクトが弱くなるが、濃度が高いJETI MIRAのホワイトインクによりこれまで重ね塗りしていた白打ちがワンパス化。これにより白打ちのコスト、生産性ともに改善した。

 

パッケージや壁紙にも挑戦    

  同社の出力工場のある滋賀県は琵琶湖の水質汚濁の改善に力を入れており、様々な環境条例を制定して環境規制を厳しくしている。同社では環境保護印刷推進協議会が制定する「クリオネマークゴールドプラス」の認定を取得するなど環境対策にも注力。労働環境面でも産業医が原材料の安全性をチェックしており、EUの安全基準を上回る独自の基準で運用している。

 

 白子社長は「ボトルにインクを入れ替える際に、従業員の手にインクが触れる可能性をできるだけ低くしたかった。アグフアに相談したところ、ボトル口を改善し、インクが手につかないようにしてくれた」と、同社の安全基準への協力を高く評価。すでにCTPに廃液を大幅に削減した現像レスプレートのアズーラを採用しており、アグフアのサポートや環境対策への信頼は大きい。機械の性能に加えて、保守サービスを含めた協力体制がJETI MIRA選定を後押ししている。                 

 

 現在、JETI MIRAは主に大判系の中でも屋外で利用される商材を生産するほか、等身大のPOPやパネルの印刷にも活躍している。イベント関連で使われる小ロットの什器のほとんどが特注案件。そうしたきめ細かいニーズにもJETI MIRAの高いメディア対応力が活かされている。今後はオフセット印刷で対応しきれない極小ロットパッケージ印刷も視野に入れている。「ロールメディア兼用なので壁紙にも応用したい」と、白子社長はさらなる商材開発に取り組む意向を示している。

 

     

 

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